「じいじ来るの?」


カナ爺は、秀を預かることにあんなに反対したのに、今はもう秀にメロメロで、すっかり優しいおじいちゃんになっているのだ。


「うん。

呼ぶとまたうるさいって怒られるから、来るのを待とうね」


秀はニコニコしながらうなづいた。

彼の顔を見ながら和んでいると、部屋の扉が開いた。


「わしのこと呼んだか」


カナ爺だ。

ナイスタイミング。

秀が嬉しそうにこたつから抜け出してカナ爺の手を引き、戻ってくる。

カナ爺になついているといっても、カナ爺の隣ではなく、私の隣に戻ってきてくれる。

小さいことだが、すごい嬉しい。

そして、そんなことに喜ぶ自分の心の狭さに少しがっかりする。