今日までの約2ヶ月は秀との生活に慣れるのに精一杯で忘れていたが、そういえば頼まれていたことがあったのだった。

こたつ布団を肩まで引き上げ、いつもべったりと私のそばに張り付いている秀の頭を撫でながら考える。

こたつの一辺に二人入るのは少し狭い。


「はてさて、この子のお父さんを探せって言われてたけど、どこを探したらいいんだろう。

鈴香さんの交友関係なんてよく知らないし。

わかっていることといえば狐族じゃないってことぐらいか」


交友関係どころか、この森にどんな種族が住んでいるのかも知らない。

狐と、狸と、カラスは間違いない。


「あとはどんなのがいるのかなぁ?

カナ爺に聞こうか」


隣でおとなしく撫でられていた秀がぱっとこっちを向く。