「なんなんだあの失礼なおっさん!」


「おっさんは言いすぎですよ」


「おぉっ!?」


荒々しく扉を閉めた私の目の前には月浦さんが立っていた。

廊下側は暗いからわからなかった。

私は首をすくめて言う。


「スイマセン……悪気はなかったんですけどつい……」


月浦さんはにこりと笑う。


「わかってますよ。

で、牢屋に向かうんですよね?」


なんで知ってるんだろう。

この人達の連絡網はよくわからない。


「そうでした。

どっちに行ったらいいんですか?」


「ご案内しますよ」


月浦さんの手にはいつの間にか鬼火が持たれている。


「宜しくお願いします」


私はぺこりと頭を下げた。