モノノケモノ

そういった族長さんは私の腕の中に秀を戻した。


「さて、」


元の位置に戻り、またもや行儀悪く足を机に乗せた族長は言葉を続ける。


「お前が言いたいことは大体知っているが、お前の口から話せ。

俺が納得しなかったらさっき言ったようにするからな」


そうだった。

ビックリしている場合ではなかった。


「秀は、私が預かります。

秀が心優しい大人に育ったら、鬼の子に対する態度を改めていただけませんか」


「なんでだ。

鬼の子は親ともども牢屋に入れるのが決まりだ」


「鬼の子に冷たくするから鬼の子が悪くなるんじゃないんですか?

誰だって、生まれてすぐに親から引き離されて牢屋に閉じ込められたらやさぐれもしますよ!」


族長は、姿勢を正しもせずに私の話を聞いている。