私が迷っていると、呉羽さんから茶菓子を奪って食べてしまった明星が指を舐めながら言った。


「お前、何迷ってんのか知らないけどさ、でしゃばり過ぎとか思ってるなら無意味だぞ。

お前はもう既にモノノケの世界に入り込みすぎてるんだからな。

罪人の子どもを預かって、そいつを番人に渡さないとか、ヒトだからってのとあの約束があるから手ぇ出せないだけでマジありえねぇんだぞ」

そんなこと、言われなくてもわかってる。

ずっと静かに話を聞いていたカナ爺にヒソヒソと相談する。


「ねぇ、この人達の上司ってどんな人?

話わかる?

それとも有無を言わさず牢屋って感じ?」


「サシで話したことないからのぅ。

ようわからん。

何にしてもお前さんに手荒な真似したら『ドーン』なんじゃから大丈夫じゃろ」


だったら、とことんやってやろうじゃないか。


「わかりました。あなた方の上司さんに会うことにします」