洗い物を済まして戻ってきても黒斗さんはまだ目を覚ましていなかった。

「ドーン!」だけでずいぶん時間がかかるものだ。

仕方ないのでお茶とお菓子を出す。

ゆっくりしていくといいよ。


「ってかさぁ、お前ホントにその鬼の子渡さないつもり?

お前も鈴香みたいに地下牢にぶち込まれても文句は言えないんだぞ?」


お茶を飲み、お茶菓子をかじりながら明星が言う。


「明星!

余計なことを言うんじゃありません!」


月浦さんが素早くたしなめた。

ちょっと待て。


「鈴香さん牢屋に入れられてんの?

鬼の子生んだってだけで?」


「まあ罪ですからね。

反省するまで牢屋に入れるのは当たり前でしょう。

あなたも鬼の子をかくまったということで、もしかしたら法廷に呼び出されるくらいはあるかもしれませんね」


「で、運が悪かったら牢屋入ですか?」


「それは何とも言えませんけどね」


お茶をすすりながら月浦さんが言う。