「カラスがすんなり秀を預けてくれたのは、ヒトならちゃんと鬼の子を育てられるからなんだ……」


「それに、おねぇちゃんは牢屋の鬼の子を見ても、僕を預かるって言ってくれたでしょ?

あそこで脱落するヒトも多いんだよ」


そんな意地悪しなくてもいいじゃないか……。

でも、覚悟をするっていうのは大事なのかもしれない。

子供一人の人生を預かるっていう覚悟をするには。


「あー、勝手にしゃべっちゃったけどさぁ、君聞きたいことあったんだよね?何?」


「いや、もういいです。

大体聞いちゃったし」


私は、秀がこれからどうなるのか知りたかったのだ。

どうやっても牢屋に入れられるのか、それとも普通に大きくなれば外で生きられるのか。

でもそれはもうわかった。

このままいけば、秀は外にいられるし、牢屋の鬼の子はとりあえず死ななくて済む。

それが牢屋の鬼の子にとっていいことかどうかわからないけど。

本当はカラスの人たちに聞いても良かったのだけれど、あの人たちはそういうこと教えてくれなさそうな気がした。

教えてくれるなら、一番最初に教えてくれてたと思うし。