月浦さんの厳しい声に、呉羽さんはますます顔を赤くしている。


「うちの部下が申し訳ありません……」


「はいはい御飯ですね。

ヒトと同じでいいですかね」


「はい!大丈夫です!」


呉羽さんは顔をあげ、輝く笑顔で返事をした。


「そっちの人は?」


月浦さんの左隣の人にも尋ねる。


「あ、俺もお願いします」


この人は髪をツンツンに立てている。

つり目で、剃っているのかと思うほど細い眉。

耳にはピアスをしている。

ビジュアル系だ。


「カナ爺も食べるでしょ。

あ、秀って何食べるのかな。

牛乳で大丈夫?」


「大丈夫じゃろ。

わしらは内臓も丈夫じゃからの」


カナ爺、適当だ。

これでは呼んだ意味がない。


「間違ってたら怒るからね。

あ、カナ爺手伝ってよ」


「お前さんもうちょっと年寄りに優しくせんか」


カナ爺はぶつぶつ言っていたが、いつも結局は手伝ってくれるのだ。