「明星!ダメだよ!

族長は、負けたら死んでしまうんだ!」


私は裏庭に飛び出し、大声でカナ爺と秀を呼んだ。

声色から何かを察したのか、二人があわてて森から出てくる。


「急にどうしたんじゃ!」


「カナ爺!

私が猫に攫われた時、どうして私の場所がわかったの?

ばあちゃんに聞いたんじゃないんでしょ?」


カナ爺は気圧されたように少し後ずさり、なんじゃ、と言う。


「秀のカンじゃ。

秀が、お前が猫のところにおると言ったんじゃ」


やっぱり。

さっき族長のことと一緒に思い出したことがある。

もし私の居場所を突き止めたのが秀なのだとしたら、何故秀には私の居場所がわかったのか。


それは、秀が「鬼」の子だからだ。

鬼の能力は、千里眼。

世界を見通す能力。