「でもさ、猫族の人たちには一応謝りに行ったほうがいいよね?

仮にもお祭りを妨害したわけだし」


カナ爺、また呆れた顔をする。


「おまえさん根っからのお人よしじゃのう。

自分が殺されそうになったのに謝りに行くんか?」


「そうだった。

そうだけど、それとは別にさぁ。

だって、秀の父親に心当たりがないか聞こうと思ったのに、関係が悪いままじゃダメでしょ」


「それにしても、別に何か壊したわけでないしのう。

おまえさんがいなくたって去年も一昨年も春祭りはしたんじゃからおまえさんが逃げたのだってそれほど悪いことでもないんじゃろ」


確かに。

私の存在は、春祭りの必須条件ではなかったようだ。