モノノケモノ

なんだか頭が痛くなってきた。

なんでその程度で許しちゃうんだ。

カナ爺の肩を掴んで揺さぶる。


「だってさ!

あれ多分何人か再起不能だよね!

だって腕が変な方向に曲がってたよ!

もしかして……」


言葉にするのをためらう。

いつの間にか、腕も止まっていた。


「……死んじゃった人とか、いるかもしれないし」


黙って揺さぶられて、騒ぐ私をじっと見ていたカナ爺が、ぷっと吹き出した。

秀も後ろで笑っている。

な、何がおかしいんだ。

こっちはスーパーシリアスなのに。


「死ぬわけがなかろう。

そんなことで死んでおったら、モノノケはもう絶滅しておるわ!」


「へ?」


笑いから復活したカナ爺が説明してくれる。