「うーん……」


まあ、簡単でいいか。


「カナ爺、決めたよ」


「なんにしたんじゃ」


「『シュウ』って名前にする。秋だし」


カナ爺は呆れているようだ。


「お前さん単純じゃな。

『秋』で『シュウ』でいいんか」


「うーん……。

『秋』に『心』の『愁』にする」


「そりゃ意味がよくないじゃろ」


「そうかな。じゃあ『秀』にしようか」


「……お前さん本当にセンスがないの」


カナ爺、自分は案を出さない割に口煩い。


「いいんだ。

鬼の子は他のモノノケより強いんでしょ。

優秀ってことでしょ。

決めたよ」


赤ん坊の頬をつつく。


「お前は今日から『秀』だよ。

よろしくね」


その時、「ピンポーン」とチャイムが鳴った。