ウキウキと楽しそうな日和子さんを見ながら、私は動揺していた。

こんなにナチュラルに手を繋がれるのは、2年ぐらい前に近所の遥ちゃん(7歳)と駅まで一緒に行ったとき以来だ。

手を繋ぐ、というのは、なんとなくだが、相手に愛されていると信じていないと出来ない気がする。

そんなわけで、大いに動揺した私は手に汗をかきつつあった。


「じ、神社に行くんですよね?」


うちから左側に歩き出した、ということは行く先は神社しかない。

それはわかっているが、会話のきっかけに、と話しかけてみる。

私の半歩前を歩いている日和子さんは振り返り、ニコリと笑った。


「そうですよ。

神社でお祭りをするんです」