考え込む私を見て、カナ爺は嫌な顔をする。


「由香、本当にやめた方がよいぞ」


その言葉で、逆に決心がついた。


「いや、やっぱり預かるよ。

この子が連れていかれない為にはどうしたらいい?」


カナ爺はため息をついた。


「由香のそういうところは紫乃にそっくりじゃ。

反対なぞしなければよかったわい」



「まあそう言わずにさ」


眉をひそめるカナ爺とは逆に、気持ちを決めた私は気楽なものだ。


「で?どうしたらいいの?」


カナ爺はもう一度ため息をついた。


「名前をつけてやりなさい。名前は所有の証じゃ」


「ふぅん……」


いきなり責任重大だ。

あまりその辺のセンスには自信もない。