「美結ちゃんの夢、聞いてもいいかな?」
小さな身体で病魔と闘う彼女にそっと問いかけてみる。美結ちゃんは、頬を染めながら、それでも凛としたまなざしで答えた。
「お医者さん。私、自分みたいに苦しんでる人を助けたいの。だから、将来はお医者さんになって、みんなの病気を治しますっ」
高らかに宣言した彼女が、病室から差し込んだ日の光を浴びてきらきら光っている。
結叶が目を見開いて、美結ちゃんを見つめる。それから私にそっと視線を移し、二人で顔を見合わせて微笑んだ。
「素敵な夢だね。絶対、叶うよ」
「うん!」
今度は年相応の無邪気な笑顔を浮かべる美結ちゃん。
ああ、本当に良かった。
大切な人の、大事な妹の命が助かって。
この小さな命がこれからも輝けるように、結叶と一緒に見守っていきたい。
「恵夢、本当にありがとうな。美結に夢を見せてくれて」
病院を出た後、結叶がしみじみと呟いた。
「私の方こそ、会わせてくれてありがとう。それから、何回も言っちゃうけど、結叶の夢をくれて、ありがとう。私、結叶からもらった命を大切に使う。もう一人で塞ぎ込まない。何か、悩むことがあれば結叶や里香たちに相談する。それが、結叶の大切な夢をいただいた意味だから」
たとえ身体がつらくても、命があればまだ頑張れる。
自分の大切な夢を差し出してくれた彼に、そっと口付けをした。
彼は驚いて、一瞬きゅっと身体を硬くしたけれど、やがて二人、温かな夕暮れの陽光に包まれた。
「恵夢に夢を喰われて、良かったと思う。また恵夢と一緒に新しい夢を描けるから。それが楽しみなんだ」
彼の優しすぎる言葉が、胸にすっと溶けて。
群青色と橙色の混ざり合う空の下で、私たちの生きる未来は、カラフルに色づいていく。
【終わり】
小さな身体で病魔と闘う彼女にそっと問いかけてみる。美結ちゃんは、頬を染めながら、それでも凛としたまなざしで答えた。
「お医者さん。私、自分みたいに苦しんでる人を助けたいの。だから、将来はお医者さんになって、みんなの病気を治しますっ」
高らかに宣言した彼女が、病室から差し込んだ日の光を浴びてきらきら光っている。
結叶が目を見開いて、美結ちゃんを見つめる。それから私にそっと視線を移し、二人で顔を見合わせて微笑んだ。
「素敵な夢だね。絶対、叶うよ」
「うん!」
今度は年相応の無邪気な笑顔を浮かべる美結ちゃん。
ああ、本当に良かった。
大切な人の、大事な妹の命が助かって。
この小さな命がこれからも輝けるように、結叶と一緒に見守っていきたい。
「恵夢、本当にありがとうな。美結に夢を見せてくれて」
病院を出た後、結叶がしみじみと呟いた。
「私の方こそ、会わせてくれてありがとう。それから、何回も言っちゃうけど、結叶の夢をくれて、ありがとう。私、結叶からもらった命を大切に使う。もう一人で塞ぎ込まない。何か、悩むことがあれば結叶や里香たちに相談する。それが、結叶の大切な夢をいただいた意味だから」
たとえ身体がつらくても、命があればまだ頑張れる。
自分の大切な夢を差し出してくれた彼に、そっと口付けをした。
彼は驚いて、一瞬きゅっと身体を硬くしたけれど、やがて二人、温かな夕暮れの陽光に包まれた。
「恵夢に夢を喰われて、良かったと思う。また恵夢と一緒に新しい夢を描けるから。それが楽しみなんだ」
彼の優しすぎる言葉が、胸にすっと溶けて。
群青色と橙色の混ざり合う空の下で、私たちの生きる未来は、カラフルに色づいていく。
【終わり】



