あの夏、君と最初で最後の恋をした

「面白かったねー!」

映画を見た後はカフェに移動して感想を言い合うのは私達の恒例。

今日も新しく出来た可愛いカフェに移動してお互いに感想を口にする。

「すれ違いばかりでどうなるかと思ってハラハラしちゃった」

「でも最後は友花の好きなハッピーエンドで終わって良かったね」

「うん、やっぱり最後はみんなで幸せにハッピーエンドで終わってほしいもん」

私は物語でもハッピーエンドが好き。
誰かが悲しいままだったり辛く苦しい、そんな終わりは嫌だ。

「でも例え悲しい終わりでも、そこから幸せになる事だってあるよ」

「え……?」

「悲しくて辛くて、耐え難い現実でも、そこから立ち上がって生きていくとそれからは幸せな未来が待っていると思うよ」

私を真っ直ぐに見ながらそう話す颯太。
そんな颯太を見て、颯太が何を言いたいのか分かってしまった。

だけど、分かりたくなくて私は目を反らした。

「ねぇ颯太、夜は花火をしようよ!」

颯太だけじゃなく、現実からも目を背けるように私はわざと明るくそう声を出す。

「……そうだね、じゃあ花火買わなきゃね」

話題が反れた事にホッとして私はそのまま明るさを装ったまま颯太の腕を引く。

「そうと決まれば早くいこっ!」

そんな私に颯太は苦笑しながらも優しく私の手を握ってくれる。

暖かくて優しい颯太の手が私は昔から大好き。

颯太の優しい笑顔も、
優しい手も、
優しい声も、
全部全部、大好き。

カフェを出て歩きながら颯太の手をぎゅっと握る。

そんな私に応える様に、
颯太も少し力を入れて私の手を握ってくれた。

「……大好き」

思わずこぼれた言葉に、
颯太は少し驚いた顔をして、
そして私の大好きな優しい笑顔で、
言ってくれた、

「僕も友花が、大好きだよ」

颯太の優しい笑顔が、
颯太の優しい声が、
颯太の暖かい手のひらが、
颯太の、大好きが、
嬉しくて嬉しくて、
なのに、
私は苦しくて苦しくて泣きたくなった。