「ち、ちょっと何怒ってんのよ……冗談よ」
「…………」
「鍵なら牢の番が持っているでしょう? ちょっとうるさいから反省させようと思っただけよ!」
こちらにじりじりと近づいてくるディディエにジャシンスはカップにソーサーを置いて手を広げて横に振る。
「そ、それにあの女とわたくしを比べるから悪いんでしょう!?」
ピタリと足を止めた後に冷たい目でこちらを見たディディエは信じられないことをいい放った。
「たしかにメイジー王女の方がよかった。僕も父に同感だ」
「…………ッ!」
ジャシンスはそれを聞いて目を見開いた。
カップの取っ手を持つ手が震えてしまう。
感情の制御ができずにジャシンスはカップをディディエに投げつける。
しかしディディエは軽々とカップを避けてしまった。
──ガチャン
カップは床に落ちて割れてしまった。
眉を吊り上げて肩を上下させて荒く息を吐き出したジャシンスに送られる軽蔑の眼差し。
ジャシンスは下唇を噛みながら血走った目でディディエを見た。
「少しは我慢できないのか?」
「女王であるわたくしに歯向かう気っ!?」
ジャシンスがそう言うとディディエは唇を歪めながら答えた。
「このままだとお前も王太后も処刑だな」
「……はぁ!?」
「それが嫌だったら国が安定するまで口出しするな。ドレスや宝石のことだけ考えて大人しくしていろよ」
「…………」
「鍵なら牢の番が持っているでしょう? ちょっとうるさいから反省させようと思っただけよ!」
こちらにじりじりと近づいてくるディディエにジャシンスはカップにソーサーを置いて手を広げて横に振る。
「そ、それにあの女とわたくしを比べるから悪いんでしょう!?」
ピタリと足を止めた後に冷たい目でこちらを見たディディエは信じられないことをいい放った。
「たしかにメイジー王女の方がよかった。僕も父に同感だ」
「…………ッ!」
ジャシンスはそれを聞いて目を見開いた。
カップの取っ手を持つ手が震えてしまう。
感情の制御ができずにジャシンスはカップをディディエに投げつける。
しかしディディエは軽々とカップを避けてしまった。
──ガチャン
カップは床に落ちて割れてしまった。
眉を吊り上げて肩を上下させて荒く息を吐き出したジャシンスに送られる軽蔑の眼差し。
ジャシンスは下唇を噛みながら血走った目でディディエを見た。
「少しは我慢できないのか?」
「女王であるわたくしに歯向かう気っ!?」
ジャシンスがそう言うとディディエは唇を歪めながら答えた。
「このままだとお前も王太后も処刑だな」
「……はぁ!?」
「それが嫌だったら国が安定するまで口出しするな。ドレスや宝石のことだけ考えて大人しくしていろよ」



