「そうだわ! わたくしに相応しい真っ赤な宝石を持ってきてくれない?」
「女王陛下、僭越ながら昨日も宝石を買ったばかりです。なので……」
「だから何?」
「……!」
「わたくしが欲しいって言っているの。聞こえなかった?」
ここまで言っても宰相は動こうとはしない。
優しいジャシンスももう我慢の限界だった。
「もういいわ……」
「……やっとわかってくださったのですか?」
宰相がそう言って顔を上げた時だった。
ジャシンスはあることを告げるために唇を開く。
「なら、あなたクビよ」
「…………は?」
「役立たずはいらないの。わたくしのことを理解してくれる人しかそばに置きたくないの」
ジャシンスがそう言うと宰相は顎が外れてしまいそうなほどに口を開けている。
しかしすぐにハッとした後に反論するように声を上げた。
「なっ……そんなっ、許されません! 王太后は……っ」
「お母様は奥の部屋で酒を飲んで遊んでいるわ」
母は父が亡くなってからたかが外れたように酒と男に溺れていた。
メイジーがいなくなり、父が亡くなったことで解放されたらしい。
(あーあ、お母様ったら羨ましいわ。わたくしもそうしたいのに……)
「女王陛下、僭越ながら昨日も宝石を買ったばかりです。なので……」
「だから何?」
「……!」
「わたくしが欲しいって言っているの。聞こえなかった?」
ここまで言っても宰相は動こうとはしない。
優しいジャシンスももう我慢の限界だった。
「もういいわ……」
「……やっとわかってくださったのですか?」
宰相がそう言って顔を上げた時だった。
ジャシンスはあることを告げるために唇を開く。
「なら、あなたクビよ」
「…………は?」
「役立たずはいらないの。わたくしのことを理解してくれる人しかそばに置きたくないの」
ジャシンスがそう言うと宰相は顎が外れてしまいそうなほどに口を開けている。
しかしすぐにハッとした後に反論するように声を上げた。
「なっ……そんなっ、許されません! 王太后は……っ」
「お母様は奥の部屋で酒を飲んで遊んでいるわ」
母は父が亡くなってからたかが外れたように酒と男に溺れていた。
メイジーがいなくなり、父が亡くなったことで解放されたらしい。
(あーあ、お母様ったら羨ましいわ。わたくしもそうしたいのに……)



