【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!

『この貝、増えすぎる』

『獲る、魚大切』

『貝、魚食べる。魚のカス、これになる』

「そ、そうなんだ」


やはり日本の貝とは根本的に違うようだ。

(本でも読んだことはない貝……この島特有のものなのかしら)

魚を食べて骨などが中に残り、真珠のようなものを作り出すらしい。
ドーたちに案内してもらうと、岩の横にベッタリと張り付いている。
その様子は圧巻だ。貝の大群にゾワリと鳥肌が立ってしまう。

(ひっ……! すごい数だわ)

貝たちは岩場で繁殖したり餌をとったりしているらしい。
どうやって真珠を取り出すのかと問うと、容赦なくパカリと半分に開けた。
ぷるんとした貝の身が真ん中にあるが、その周りに複数の塊がある。

形はバラバラだが、貝の形状的には丸くなる可能性があるかもしれない。
メイジーが力を入れて貝を開いていき、取り出そうとした瞬間だった。


『メイジー、気をつけて!』

「え……?」

『ソイツ、噛み付く』


メイジーが貝に視線を戻した時だった。
目の前が真っ暗になり、鼻に痛みが走る。


「──ギャアアアッ!?」


メイジーがブンブンと頭を振ると、貝が海に向かって飛んでいってしまう。


『あーあ、バイバイ』

『貝、バイバイした』


ドーとデーの声を聞きながら鼻を押さえて膝をつく。

(この世界の貝は噛むのね……! 鼻がなくなるかと思った)