【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!

メイジーにプレゼントを渡したいと言い出したのはムーなのだそう。
子どもたちの間ではよく遊ぶもので、あの日もムーたちはミミへのプレゼントに獲っていたのだという。


『貝、これ作る』

『女の子、これ好き』

『女の子たち、おもちゃ、遊ぶ』


カラカラと軽い音、貝が作る、綺麗というワードを聞いてメイジーはあの宝石ではないが宝石として扱われるある物質が思い浮かぶ。

(まさか……そんなわけないわよね)

恐る恐る木の実の器を覗き込むと自然と声が漏れた。


「…………綺麗!」

『みんな、これ好き』

『喜ぶ。ツヤツヤ、ピカピカ』

『かたまり、いろいろな形。楽しい』


そこにあったのは〝真珠〟だった。
メイジーの記憶にある真珠とは違う。
色とりどりの真珠は歪な形をしていたり鮮やかな色が付いている。

(これが真珠……? この世界の真珠は発色がいいのね)

メイジーは器の中に手を伸ばして、長細い真っ赤な真珠を一粒掴んで空に掲げた。
光の加減で色が少しだけ変化する。

(とても質がいいし、何より大きさも申し分ないわ。こんないいものが子どものおもちゃだなんて信じられない……!)

ずっと宝石に関わってきた杏珠の血が騒ぐ。
ドーから木の実の容器を受け取って、真珠を見つめていたがあることに気がつく。


「ねぇ、ドー。真っ白な塊ってないの?」

『白、ほとんどない』

『見たことない』

「……そうなの。残念だわ」