ジャシンスの手に嵌められているのは、メイジーの母親の形見の指輪だった。
彼女は当たり前のように奪ったのだ。
まるで最初から自分のものだと言いたかったように。
「か、返して……! それはわたしの……っ」
「何言っているのかわからないわ! もう一度言ってくれる?」
「……っ、かえし」
「え……? 何か言ったかしら?」
メイジーの声を掻き消すようにジャシンスが大きな声を上げた。
「それに……この女はわたくしから王位も奪ったのよ? 許せないでしょう?」
ジャシンスと王妃の真っ赤な唇が弧を描いている。
恐らく部屋を空けている間に指輪を盗んだのだろう。
侍女の誰かがジャシンスに情報を漏らしたのかもしれない。
彼女に頼まれて盗ったのかもしれない。
メイジーはリディと引き離されてしまい、あっという間に騎士たちに拘束されてしまう。
「ずっと虐げられてきたのはメイジー様ですわ! これは……っ」
「その女の口を塞ぎなさい! 可哀想に。この侍女はメイジーに洗脳されているのね」
ジャシンスの後ろにいた王妃はそう言ってリディの言葉を遮った。
リディ以外、誰もメイジーの味方はいなかった。
逆らえば同じ目に合うとわかっているからだろう。
メイジーは絶望していた。
(……誰もわたくしのことを見てくれない)
彼女は当たり前のように奪ったのだ。
まるで最初から自分のものだと言いたかったように。
「か、返して……! それはわたしの……っ」
「何言っているのかわからないわ! もう一度言ってくれる?」
「……っ、かえし」
「え……? 何か言ったかしら?」
メイジーの声を掻き消すようにジャシンスが大きな声を上げた。
「それに……この女はわたくしから王位も奪ったのよ? 許せないでしょう?」
ジャシンスと王妃の真っ赤な唇が弧を描いている。
恐らく部屋を空けている間に指輪を盗んだのだろう。
侍女の誰かがジャシンスに情報を漏らしたのかもしれない。
彼女に頼まれて盗ったのかもしれない。
メイジーはリディと引き離されてしまい、あっという間に騎士たちに拘束されてしまう。
「ずっと虐げられてきたのはメイジー様ですわ! これは……っ」
「その女の口を塞ぎなさい! 可哀想に。この侍女はメイジーに洗脳されているのね」
ジャシンスの後ろにいた王妃はそう言ってリディの言葉を遮った。
リディ以外、誰もメイジーの味方はいなかった。
逆らえば同じ目に合うとわかっているからだろう。
メイジーは絶望していた。
(……誰もわたくしのことを見てくれない)



