(やっぱり……リディ以外、誰も信用できない)
メイジーが父親の部屋に到着すると、彼は見る影もなくやつれていた。
状況は思わしくはなく、会話も業務的なことばかりだった。
なんとかして国を守って欲しい、そんな気持ちは強く伝わった。
(国よりもわたしを守って欲しかった)
メイジーがそんなことを言えるはずもなく、ただ人形のように頷くだけ。
そして自分の婚約者だという青年を紹介された。ディディエは宰相の息子だという。
メイジーは彼と目を合わせられずに、ずっと俯いていた。
彼がどんな顔かは覚えていないが弧を描く唇と悪寒だけはよく覚えていた。
それでも父親は安心したように笑うとメイジーに下がるように言った。
まるで今まで何もなかったと言わんばかりの態度に、メイジーの中で黒い気持ちが込み上げてくる。
メイジーが部屋から出るとこちらを鋭く睨みつける王妃とジャシンスと目があった。
彼女たちはメイジーにいつものように暴力を振るうのかと身構えたが何もすることはない。
どうやら女王と指名されたことでメイジーに手を出せなくなったらしい。
メイジーは安心からホッと息を吐き出した。
本だらけの部屋を移動するように言われ、護衛や侍女がたくさん当てがわれた。
彼女たち触れられるたびに、話しかけられるたびに鳥肌が立つ。
メイジーの前では媚を売るくせに、裏では悪口ばかり。
表と裏の顔を知るたびに、メイジーの精神が蝕まれていく。
(気持ち悪い、気持ち悪い……汚い、みんな汚い)
次期女王に指名されてからたった一週間だった。
「メイジー・ド・シールカイズ、あなたを国外に追放するわ!」
メイジーが父親の部屋に到着すると、彼は見る影もなくやつれていた。
状況は思わしくはなく、会話も業務的なことばかりだった。
なんとかして国を守って欲しい、そんな気持ちは強く伝わった。
(国よりもわたしを守って欲しかった)
メイジーがそんなことを言えるはずもなく、ただ人形のように頷くだけ。
そして自分の婚約者だという青年を紹介された。ディディエは宰相の息子だという。
メイジーは彼と目を合わせられずに、ずっと俯いていた。
彼がどんな顔かは覚えていないが弧を描く唇と悪寒だけはよく覚えていた。
それでも父親は安心したように笑うとメイジーに下がるように言った。
まるで今まで何もなかったと言わんばかりの態度に、メイジーの中で黒い気持ちが込み上げてくる。
メイジーが部屋から出るとこちらを鋭く睨みつける王妃とジャシンスと目があった。
彼女たちはメイジーにいつものように暴力を振るうのかと身構えたが何もすることはない。
どうやら女王と指名されたことでメイジーに手を出せなくなったらしい。
メイジーは安心からホッと息を吐き出した。
本だらけの部屋を移動するように言われ、護衛や侍女がたくさん当てがわれた。
彼女たち触れられるたびに、話しかけられるたびに鳥肌が立つ。
メイジーの前では媚を売るくせに、裏では悪口ばかり。
表と裏の顔を知るたびに、メイジーの精神が蝕まれていく。
(気持ち悪い、気持ち悪い……汚い、みんな汚い)
次期女王に指名されてからたった一週間だった。
「メイジー・ド・シールカイズ、あなたを国外に追放するわ!」



