『──メイジー! ムーが』
『溺れる……っ!』
遠くから子どもたちの声が聞こえた。
メイジーはムーがあのまま波に流されてしまったのだと思った。
小さな体はあっという間に波に飲まれてしまうだろう。
(大変……! ムーを見つけないと)
メイジーが周囲を見回してもムーの姿はない。
恐らく海の中だろうと、メイジーは海の中に潜ってから目を凝らす。
一際、泡が海面に昇っており手足をバタつかせているムーを見つけて、そこまで必死に泳いでいく。
距離はさほど遠くはないが、メイジーの体は小柄で力もないためなかなか辿り着けない。
ムーは恐怖から暴れているのだろう。手足をバタつかせているせいで体が沈んでいく。
(このままだとわたしも息が続かない……! でも早くしないとムーがっ)
メイジーは一度海面に上がって、思いきり息を吸い込んだ。
そして再び海に潜ってムーが沈んでいる場所を目指す。
なんとか彼女の手を取ることはできたが、このまま海岸で泳いでいくのは無理なようだ。
(こんなことならもっと泳ぎを練習しておくんだった……!)
後悔しても今更だが、まずムーに呼吸をさせなければと海面を目指していくが思ったように浮上できない。
(急がなきゃ……! ムーがっ!)
先ほど冷静にならなければと言い聞かせたばかりなのに、メイジーはムーに命の危機が迫っていると焦ってしまう。
浮くことも忘れて、がむしゃらに動き続けてしまった。



