【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!

『とれた……!』

「──ムー、危ないっ!」

『……え?』


そう叫んだメイジーはムーと共に上から襲いくる波に飲まれてしまう。
ゴツゴツと岩場に足や背中をぶつけながら流されていく。
メイジーは今までにない恐怖を感じていた。

もうどこが痛いのかわからないが、メイジーは島民たちから教わったことを思い出していた。
もし波に飲まれたら息を止めてから身を任せる。
波に飲まれても一番大切なのは落ち着くことだ。
下手に暴れたら危険なので、状況を把握して無理に岸に戻ろうとしないことが大切だそうだ。

海藻や魚を獲っていた時に何気なく教わった知識だが、まさかこのタイミングで役に立つとは思わなかった。
いつまで経っても息が吸えない恐怖に長い時間、耐えなければならないのはつらい。
だが大切なのは無理に泳ぐことではなく浮くことだ。

(このまま波に飲まれてたまるもんですか……!)

命の危機は突然やってくる。
プカプカと海面まで浮いてくると波が落ち着いた瞬間を狙って、メイジーは海面に顔を出すことができた。


「ぷはっ……! ゴホッ、コホ」


荒く息を吐き出しながら生還を喜ぶ暇もなく、次の波に押し流されてしまう。
メイジーがここまで冷静でいられたのは、ある程度こうなることを予想していたからだ。


『たす、け……っ』

「……ッ!?」


小さな声が耳に届いたような気がした。
しかし再びメイジーの顔に波がかかり、何も聞こえなくなる。
なんとか顔を上げて声を聞き取ろうとするが……。