──そこから本当の地獄が始まった。
この島での生活は何もかもが原始的。
火を起こすのも手作業。海水から飲み水を作るのだってそうだ。
今日の食べ物を得るために魚や虫を捕まえるのは男性の仕事だが捌くのは女性の仕事。
先ほど生きていた生物の命をいただくのは色々と考えさせられた。
王女として暮らし、日本に住んでいる記憶があるせいか余計に苦痛に思うのかもしれない。
中でも強烈に辛かったのは芋虫をすり潰したもの。
彼からすればオヤツのようなもので、栄養価が高く重宝しているそうだ。
子どもたちは生きたまま踊り食い状態である。
メイジーにも進めてくれたのだが、彼らの大好物をいつまでも断り続けるわけにもいかない。
メイジーにも腹を括る時がくるようだ。
どうせ食べるのなら女性人気が高い甘めなものを頼んだ。
『メイジー、食べろ』
『この芋虫、一番あまい』
「い、いただきます……!」
メイジーはすり潰した芋虫を口にする。
暫く口の中にあり、咀嚼できなかったが震えながらも飲み込んでいく。
嗚咽して吐き出さなかったことが奇跡だろう。
今後の人生の中において、この食感と味を二度と忘れることはない。
ココナッツのような木の実からできた固い皿に入ったものを平らげたメイジーは暫く放心状態で動けなかった。



