メイジーは何個も何個も口に運んでいく。
それから丸ごと置かれたフルーツも齧るようにして食べた。
甘酸っぱい果汁がじんわりと広がって、幸せな気持ちにさせる。
久しぶりの満腹感にメイジーは手を合わせながら感謝していた。

(…………お腹いっぱいになるまで食べられるって、なんて幸せなんだろう)

メイジーは腕で乱暴に涙を拭う。
そして夢中になりすぎて気が付かなかったが、ガブリエーレはじっとメイジーを見ていたようだ。


『うまいのか?』

「とっても美味しいわ!」

『………そうか』


ガブリエーレはそう言いつつも、食べ物に手をつけようとしない。


「ガブリエーレ……様は食べないの?」

『……』

「とても美味しいのに……」


メイジーがそう言うとガブリエーレも真っ白な塊を手を取る。
そして一口、手に取って口に運ぶ。
咀嚼しているガブリエーレを見つめながらメイジーが不思議に思っていると……。


『……うまいのか?』

「食べたことないの?」

『…………』


ガブリエーレは何も答えない。
そのまま二人で無言で食べ物を口にする。
メイジーもまたいつ食べられなくなると思うと、もう少しだけと手が伸びてしまう。
夢中になっていると、ふとガブリエーレの視線を感じた。