木の器を持ってきた女性は躊躇なく、メイジーの髪に何かを塗っていく。
薄黄色の液体はオイルのようにも見えた。
髪をサラサラにしてクシを通りやすくしているのだろう。
それからもう一人の女性はメイジーの前に立つと木の器から再びオイルを取り出す。

(嗅いだことがあるような……オリーブオイルに似ている気がするけど違うのかしら)

それを顔にピシャリと塗られて驚いたメイジーは反射的に瞼を閉じる。


「わぷっ……!」


大雑把に顔に塗り広げられていくオイル。
今度は特に匂いもなく、されるがままになっていると余程変な顔をしていたのか、女性たちはメイジーの顔を見てくすくすと笑っているではないか。

それから自分でやれと言わんばかりに目の前に置かれた木の容器。
女性たちが腕を擦っているのを見て、オイルを塗り広げろという意味で受け取る。
メイジーはそこから自分でオイルを塗り広げていく。
日に焼けてヒリヒリと痛む肌。
肌は真っ赤になっていて痛々しいが、オイルのおかげで少しだけ痛みが和らいでいく。

(痛いけど、このオイル滑らかで塗りやすい……)

全身にオイルを伸ばしていると、メイジーを見ながら話し合っている女性たち。
もしかして食べるのではなく、メイジーを仲間として受け入れてくれるではないだろうか。
だから体を綺麗にしてくれたのかもしれないと思っていた。

メイジーの整えられた髪に飾られていく色とりどりの花。

(最後の飾り付け? やっぱり食べられるのかしら……ううん、きっと遊んでいるだけよ!)