──バシャッ
溜まっている水の上から注がれる熱湯。
じんわりと……というよりは熱々のお湯が急速に広がっていく。
再び茹でられると思っていたメイジーは指一本動かせないまま固まっていた。
だけどこのままではいけないと声を上げた。
「ちょっと待って! わたしの話を聞いて……っ!」
突如、横に差し出される葉っぱと花。
メイジーにとっては草にしか見えないのだが、何をするかわからずにいると、次々にお湯の中に投げ込まれていく。
それを見てあることを思っていた。
もしかしたら場所を移しただけでまた食べるつもりなのかもしれない、そんな考えが頭を過ぎる。
それを裏付けるように大鍋がどんどんとこちらに近づいているではないか。
(もしかして臭みを消すとか、味付けをしてる……?)
メイジーは悲鳴を上げるのをなんとか堪えていた。
すると次々に腕が突っ込まれて服を引っ張られてしまう。
コルセットがなかなか取れずにいたが、あっという間に丸裸になってしまい、着ていた服はどこかに持って行かれてしまう。
草からは青草い匂い。
ほんのりと花の香りもするが、何か纏うものがなければ身動きが取れない。



