【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!

ベルーガはメイジーの貝を生かしたまま取り除くという先ほどの話を聞いた通り、魔法を使うことなく挑戦するようだ。

けれど結果は以前のメイジーと同じ。
鼻を噛まれて指を噛まれてひどいありさまだった。
少し前の自分を見ているようだと思いつつも、メイジーは手慣れた様子で貝を開けていく。
特製の棒があればメイジーは無敵である。
ベルーガにも渡したのだが、まだうまく使えないようだ。

貝と実の間にキラリと光もの。
それが種をうまく囲ってくれたらと思いつつ、取り出したものは上は丸いが下は潰れている不恰好なものだ。

(やっぱり入れる場所によっては、貝殻に沿って作られてしまうのね)

挿入器、ひっかけ、メス、開口器など専用の器具を使って適切な場所に入れなければならない。
長い年月がかけて美しい真珠となるのだ。

(綺麗な真丸にはなかなかならないのね)

幸い、何年もかかることなく層が厚くなっている。
形はいいが長くかかるけとはないが、丸になる保証はないが一週間ほどである程度の大きさになるとわかっただけいいだろう。
メイジーは歪な真珠を空に掲げて眺める。

(貝の出口に近い端の方は歪になりそうなのね。なら真ん中の辺りはどうかしら……)

貝の真ん中辺りに触れてみると、コロリと丸い感触がある。

(こ、これは……!)