メイジーはベルーガが付き添いだと説明するも納得してもらえない。
自分もガブリエーレの、神の遣いだと言って島民たちの仲間に入れてもらったことを今になって思い出す。
詳しく話を聞いてみるとメイジーはムーたちの中で女神様に昇格したようだ。
「ベルーガさんは付き添いだから……」
『神の遣い、メイジーの世話する』
『メイジーの世話、すごい』
「違いますよね、ベルーガさん!」
メイジーがそう言って振り返るがベルーガは静かに首を横に振った。
「私には彼らの言葉はわかりません」
「……え?」
メイジーが驚いているとベルーガは信じられないことを口にする。
「皇帝陛下があなたに力を分け与えた。だから言葉も理解できるし、太陽の元を歩いても肌が焼けることはないのでしょう」
「……どうしてわたしに?」
「さぁ、わかりません。私が知りたいくらいですよ」
ベルーガはそう言って微笑んだ。
「私は護衛ですので、気にしないでください」
やはりメイジーに敵意があるのだろう。
口にしなくてもそんな気がした。
メイジーはムーに手を引かれたことで視線が逸れる。
ベルーガとの気まずさを感じながらも歩き出す。
ムーとデーと色部に分けられている貝を見ながら感動していると、こちらに走ってくる島民たちの姿。
どうやらドーが皆にメイジーが来ていることを知らせたようだ。
頭を下げようとするミミやダダナたちを止める。
神様扱いはガブリエーレだけで十分だ。
そう思っていると、メイジーの前に差し出される大きな網。
一晩で随分と大きな網を編んでくれたようだ。
どうやらミミたちはガブリエーレからメイジーのやりたいことを聞いて、手伝うように言ってくれたらしい。



