【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!

「メイジー様、何をやっておられるのですか?」

「う、海で泳ぐ練習よ……!」


メイジーは腕を動かして足をパタパタと動かした。
ワゴンを引いてきたエレナは訝しんでいたがメイジーの前へ。

ワゴンには消化のよさそうなスープとフルーツ、パンが置かれていた。
メイジーはお腹が空いていたためペロリと完食する。


「おかわりください!」

「まぁ……シェフが喜びますわ」


ここ数日、あまり食事をしていなかったメイジーの食欲にエレナは驚いている。


「体力をつけておかないと、海に流されてしまうもの!」

「まさかすぐに島に行かれるおつもりですか?」

「えぇ、もちろん!」


エレナはその言葉を聞いて、他の侍女にワゴンを運びに料理を取りに向かわせる。
そしてクローゼットの方へと歩いて行くではないか。
メイジーは咄嗟にエレナを止めるように手を伸ばすが……。


「話は皇帝陛下から聞いております。動きやすい軽装に着替えましょうか」


エレナがクローゼットを開けると、メイジーが荒らした後が残っている。
彼女は部屋に入ってきた時のメイジーの行動を逆算して何が起こったのか理解したのだろう。
メイジーが誤魔化すように口笛を吹いていた。


「──具合が悪い時にはちゃんと大人しくしていてくださいませっ!」