【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!

『メイジー、眠れ』

「何か知って、いるなら……ちゃんと、説明して……」


まるでガブリエーレはメイジーがこうなることを予見していたようにも思える。
ガブリエーレはただメイジーを見つめているだけだ。
先ほど見た海のように瞳だけは輝いている。

(綺麗……)

そこから何も聞こえなくなったがガブリエーレの唇が綺麗に弧を描いて「やはりな」と声が聞こえた。 


* * *


メイジーが目を覚ますとベッドの上で眠っていた。
カーテンからは光が漏れているが長い間眠っていたのか、すぐに目が覚めたのかはわからない。

(……喉が渇いたし、お腹が空いたわ)

メイジーがそう思いつつベッドの上でゴロゴロしていると、眠る前に何があったのかを思い出す。

(そうだわ。あの扉から島にいけるのよ……! こうしちゃいられないわ)

メイジーはクローゼットの中を覗きながら動きやすい服を探していた。

(ドレスで行ったからのぼせちゃったのかしら。今度は最初から動きやすい服でいけば問題ないはずよ!)

そんな時だった。
扉をノックする音が聞こえて、メイジーはハッとする。
もしエレナだった場合、叱られるのは目に見えたからだ。
慌ててクローゼットを閉めたメイジーはスライディングするようにベッドにダイブするのと同時に扉が開く。