【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!

(黙っていれば本当に神様のようね……)

布一枚を巻いているだけで神と勘違いされる容姿なのだ。
服が変われば、こんなにも違って見えるとは驚きである。

ガブリエーレはメイジーを視界に入れた瞬間、先ほどの不機嫌そうな表情が嘘のように唇を歪めた。
いつも通りのガブリエーレを見て、ベルーガたちは顎が外れてしまいそうなほどに驚いているではないか。


『こう見ると王女に見えなくもないな』


メイジーは何故かサイズがぴったりなドレスを着ている。
元々、天使のように可愛らしいメイジー。
侍女に磨かれてその美貌は増していた。

薄紫のドレスは何枚も透け感がある生地が重なっている。
上にいくにつれて青みが増してグラデーションになっていた。
デコルテと肩が出ており二の腕あたりで生地が止まっている。
胸元にはキラキラと光りを帯びていて、まるで人魚姫のようだ。
メイジーの魅力を引き立てて儚い印象を与える。


「わたしは王女だって言っているでしょう? 元ですけど……」

『ははっ』


メイジーがそう言うとガブリエーレは機嫌よく笑っている。
後ろから複数の引き攣った声が聞こえたが、気にすることなくメイジーが不満げに頬を膨らませた。
ガブリエーレは何を思ったのか、後ろに連なっている中にいる一人に声をかける。