【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!

「そんなにすごいの?」

「帝国民から敬われ、恐れられております。皇帝になるべくしてなったお方ですわ」

「なら、なんであの島に?」

「我々には皇帝陛下の崇高な考えは判りかねますわ」

「…………」


(崇高……? 暇つぶしじゃなくて?)

メイジーは突っ込もうかと思ったが黙っていた。
何度も死にそうになりながらも、ガブリエーレへの発言は気をつけなければならないと学んでいるからだ。
でなければ睨まれたり攻撃されたりと散々な目に遭うことはわかっている。
メイジーがこれ以上、ガブリエーレのことは聞かない方がいいと思っていた時だった。

──コンコンッ

扉をノックする音が聞こえた。
すぐにエレナが動き出す。

(まだ食事の時間には早いと思うけど……)

先ほど朝食を食べたばかりだ。
食欲がなくほとんどなくて大半は残してしまったが。

扉を開くとそこには赤、青、緑と三人の青年の姿。
そして青色の長髪の青年と緑の短髪の青年は見覚えがあるではないか。
島に上陸した大きな船に乗っていた二人だ。

メイジーとの出会いは最悪だった。
話は噛み合わないし、いきなり殺されそうになったことを思い出す。
そしてガブリエーレが彼らを殺そうとしたことも。