「皇帝陛下からメイジー様の体調管理を任せるように仰せつかっているのですよ? 気に入らないところは直します」
「……いえ、十分です」
「でしたら、どうして……」
「ガブッ……じゃなくて、皇帝陛下に会わせてください!」
ガブリエーレを皇帝と言うのにはまだ慣れない。
だが、周囲はそれを許さないためそう呼ぶしかない。
「皇帝陛下はお忙しいのです」
「なら、いつまでわたしはこんな生活を続けたらいいのよ……」
ポツリと本音が漏れる。
三日もこうした押し問答が行われているが、何も解決していないしガブリエーレにも会えていない。
「とにかく体調を整えるのが先ですわ。そうすれば……」
「……」
「メイジー様、聞いてますか?」
「せめて掃除とか洗濯を手伝ってもいいかしら?」
「絶対にダメです! 何を言っているんですかっ」
前世含めて働き通しだったメイジーにとって、何もしないということは苦痛で仕方ない。
血走った目で唸っていると、エレナはため息を吐いた。



