帝国での暮らしが始まって三日経っただろうか。
メイジーは侍女に囲まれながら震える手で上品な香りがする紅茶を啜っている。
原始的な島から一転して、まるでお姫様のような扱いを受けている。
それが王女だった時よりも比べるのも失礼なほどに豪華だ。
そしてジャシンスたちの生活よりも遥かにいいものだろう。
しかしメイジーは今すぐに島に帰りたくなって仕方なかった。
部屋の端っこに置かれている縄で編んだ網を見つめながらため息を吐く。
(……落ち着かないわ)
三日前、気絶するように眠ったまではよかったが、今ではこの環境に慣れなすぎてソワソワした気持ちで過ごしていた。
食事も美しい飾りつけや繊細な味付けが喉を通らない。
あの酸っぱいのか辛いのかわからない味が今となっては懐かしい。
そしてカチカチのパンよりも、芋からできたもっちりとした主食が恋しい。
さすがに芋虫はいらないが、毎日食べていたフルーツの酸味と甘味。
芸術品のようなカップに入っている紅茶ではなく、ココナッツの自然な甘さのジュースを体は求めてしまう。
ジリジリと焼けつくような日差しも、自然と共に生きている解放感もない。
むしろ真逆でずっと室内で上品なドレスは美しいが窮屈だ。
肌のケアは朝と晩、髪も切り揃えられてあっという間に艶が戻っている。



