『ベルーガ、このことを知る者は他にいるか?』
「私だけです」
『そうか……』
ガブリエーレは手のひらで口元を覆った。
これは運命の出会いといってもいいかもしれない。
ガブリエーレが持っていた紙が灰になって燃えた。
『やはり俺に相応しいのはメイジーしかいない。大臣たちをすぐに集めろ。それと父上にも手紙を送れ』
「すぐに手配いたします。三十分後には召集いたしますので会議室に。マオとイディネスはどうしますか?」
『お前だけでいい』
ガブリエーレがそう言うと、ベルーガが控えめに問いかける。
「もしやメイジー様を傷つけようとしたり……したのでしょうか」
『ああ、俺の許可なしにな』
「それは私からも謝罪させてくださいませ。申し訳ございません」
ベルーガが深々と腰を折る。
肩にかかる赤い髪がサラリと揺れた。
三人は兄弟でガブリエーレの側近兼執事兼護衛だった。
ベルーガが一番上、真ん中がマオ、一番下がイディネスだ。
『お前に免じて許してやりたいところだが、メイジーが許せば俺も許そう』
「お心遣い痛み入ります。二人にはそう伝えときます」
ガブリエーレは上機嫌だった。
メイジーの出生はなかなかに興味深いものだった。
それはまだ本人ですら気づいていない。
だがガブリエーレの側にいるには都合のいいものだ。
(メイジー……これからも俺を楽しませてくれ)
(ガブリエーレside end)



