『──やったあああぁああぁぁっ!』
『生き残ってやったわっ! ざまぁみろっ』
彼女は生命力に満ちていた。
こんなにも心が大きく揺さぶられたのは初めてだった。
だがシールカイズ王国の王女だと言われた時はさすがに嘘だと思った。
しかも病弱の王女の方だという。
ガブリエーレが皇帝だと知らないので嘘がバレないと思ったのかもしれないが、自分は周辺国の情報をすべて把握している。
もっとも小国で魔法が使えないシールカイズ王国など眼中になかったが。
ガブリエーレは以前一度、長子のジャシンスを見たことがあった。
正しく言うなら勝手に送られてきたのだ。
魔法をまったく使えない王国に興味を惹かれてジャシンスの手紙を見たが、傲慢さや欲が窺える文に吐き気を覚えた、
(力もないのに、よくもまぁここまで傲慢になれるものだな)
その妹が地図にもない辺鄙な島に船で流れ着いた。
もし本人なのだとしても病弱などまったくの嘘だろう。
島民の言葉を理解できず、なにもできないくせに役に立って生き延びてみせると嘘ばかり言う。
なのに生け贄として再び目の前に現れる始末。
腹が減ったと食事に食らいつく様は見ていて清々しいとすら思えた。



