中庭にピリついた空気が漂う。オリバーをレミーは睨み付けていた。セバスチャンは訳がわからないといった様子で出された紅茶を飲んでいる。オリバーは息を吐いた。
「……グレープフルーツには、強い抗酸化作用があるため老化予防や生活習慣病の予防に効果があると言われています。また、便秘の予防やアレルギーを抑制する効果も期待できるそうです」
「何だ、いいことばかりじゃないか」
感心するセバスチャンに対し、オリバーは「いいことばかりじゃありませんよ」と首を横に振った。グレープフルーツは決して口にしてはいけない人間が一定数この世に存在するのである。
「心臓病の薬の成分とグレープフルーツのフラノクマリン類という物質が混ざり合うと、薬の効果が強力になってしまうんです。血圧が急激に下がるため、最悪命を落とすことになります」
「心臓病だと!?しかし、陛下が病気だとは聞いていない!!あの時薬を飲んだのはたまたま体調が優れなかったからじゃないのか!?」
セバスチャンが驚く。オリバーは気にせず淡々と続けた。
「国王陛下はこの国を統治しておられる方です。そのような方が病に臥せっていると聞いたら、国王陛下を支持している国民はどう思うでしょうか?心配をかけたくない、そんな思いで国王陛下は病のことを親しい人間以外には伏せていたのかもしれません。……幼なじみというご関係であるアレクサンドラ様なら、きっとご存じだったのではありませんか?」
「……グレープフルーツには、強い抗酸化作用があるため老化予防や生活習慣病の予防に効果があると言われています。また、便秘の予防やアレルギーを抑制する効果も期待できるそうです」
「何だ、いいことばかりじゃないか」
感心するセバスチャンに対し、オリバーは「いいことばかりじゃありませんよ」と首を横に振った。グレープフルーツは決して口にしてはいけない人間が一定数この世に存在するのである。
「心臓病の薬の成分とグレープフルーツのフラノクマリン類という物質が混ざり合うと、薬の効果が強力になってしまうんです。血圧が急激に下がるため、最悪命を落とすことになります」
「心臓病だと!?しかし、陛下が病気だとは聞いていない!!あの時薬を飲んだのはたまたま体調が優れなかったからじゃないのか!?」
セバスチャンが驚く。オリバーは気にせず淡々と続けた。
「国王陛下はこの国を統治しておられる方です。そのような方が病に臥せっていると聞いたら、国王陛下を支持している国民はどう思うでしょうか?心配をかけたくない、そんな思いで国王陛下は病のことを親しい人間以外には伏せていたのかもしれません。……幼なじみというご関係であるアレクサンドラ様なら、きっとご存じだったのではありませんか?」


