小説家と毒の果実

セバスチャンは服のポケットからタバコを取り出すと火をつける。そして、中庭を歩きながら話した。

「国王陛下が亡くなるまでに口にしたものは二つ。一つは薬。もう一つはグレープフルーツジュースだ。グレープフルーツジュースは王妃も一緒に飲んでいた。しかし王妃は倒れていない。ということは、考えられるのは薬以外ありえねぇだろ?あっ、ちなみにティーパーティーで出された飲み物は全部毒が入っていないことは調べてある」

自信ありげにセバスチャンは話す。黙り込んでいるオリバーの頭の中には、前世と今世で培った知識の引き出しが次々と開いていた。

(犯人はあの人しかいない。……簡単な話じゃん)

オリバーの口に笑みが浮かんだ。セバスチャンは、足を止めて急に笑みを浮かべたオリバーを怪訝そうに見つめる。オリバーは笑みを浮かべたまま言った。

「チェイサー刑事、一緒に来てもらえませんか?」



オリバーとセバスチャンは転移魔法でクレドの地に降り立った。クレドは農場が広がっており、作業をしている農民たちの姿が多く見えた。

「おい、ここに何の用があって来たんだ」