小説家と毒の果実

『そんな……ジェームズ……!!嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

エレノアの慟哭が中庭に響く。彼女は大粒の涙を流しながらジェームズの亡骸を抱き締めていた。そんな彼女を、ミアは泣き出しそうな顔で見ている。その時だった。誰かが叫ぶ。

『そこの薬剤師!!陛下に毒を盛ったんじゃないのか!?』

中庭が一瞬にして騒つく。疑いの目を向けられたミアは首を振った。

『違います!毒なんて、そんな……!』

『でもあなた、さっきジェームズに薬を飲ませていたわ。その時に毒を盛ったんじゃなくて!?』

エレノアがミアを睨み付ける。ミアは必死に『違います!』と否定した。しかし、何者かが拘束魔法を放ち、ミアの体は縛り上げられてしまう。

『国王陛下を殺した犯人を捕まえたぞ!!』

その叫び声を聞いた刹那、オリバーとセバスチャンは現代へと戻ってきた。中庭は静まり返っている。

「警察は素人が適当に言った言葉を信用したんですか?」

オリバーの問いにセバスチャンはあくびをしながら答えた。

「もちろん人の言葉は信用しない。だから、こうして過去に起こった出来事を確認した。ミア・マグノリアの逮捕に問題はねぇ」