勝ちたい僕と冷たい君

  すると突然、後ろから僕を呼ぶ声がした。
 「おい、おい……おまえ」
 降り向くと僕の顔が引きつった。
 「あ、先生……」
 「さっきから何ひとりでブツブツ言ってんだ」
 「えっとぉ……それはですね」
 焦る僕に先生は、
 「一番前のど真ん中で、よくもまぁ大胆に
後ろを向いていられるもんだ。
 そんなに俺の授業がつまらんか?」
 「いやぁ……それは」
  先生はニコッと微笑むと、
 「じゃあ、しばらく廊下に立ってなさい」
 と告げた。
 「え? 今時廊下に立たせるの? 
 そんなことしていいの?」
 思わず心の声が漏れた僕に先生は、
 「きっかり三分だけだ」と告げた。
 僕が廊下に出ようと教室の後ろに
向かうと彼が僕に、
 「おまえ、授業中にジロジロこっち
見んなよ……」と呟いた。

 僕の視線に気づいてくれてたんだ……
僕は心を躍らせニヤニヤしながら
きっかり三分間廊下に立ちきりました……とさ。