勝ちたい僕と冷たい君

 お久しぶりだぜ。
 今日の僕は何かが違う……。
 一回戦 壁ドンで敗北。
 ニ回戦 トイレにGOで勝利。
 三回戦 論外! コールド負け。

 で、今日は新学期!
 新たな戦いのスタートに
ふさわしい日なのだ……。

 先ずは、クラス替えの発表を見に
下駄箱近くの掲示板に向かった。
 すると……僕は自分の目を疑った。
 「え? どうして……? 僕だけ?」
 掲示板に貼りだされている名簿には、
一組……彼と彼女の名前が、
そして二組に僕の名前が……。

 今まで、驚異的な腐れ縁で
三人一緒だったのに、
 高校生活最後の年に
どうして僕だけが……
違うクラスになるんだよぉ。
 僕は目の前が真っ暗になった。

 すると、そこへ学年主任の
先生が通りかかり僕に声をかけた。
 「あれぇ、どうした?
 具合でも悪いのか?」
 「違います……先生、ひとつ
質問いいですか?」
 「ああ、いいぞ。なんだ?」
 僕は貼りだされた名簿を指差すと、
 「この二人……どうして一組なんですか?
一組は確か……特別進学クラス、
通称:特進ですよね?」
 僕がそう尋ねると先生は、
 「あ~、この二人、特に成績が
優秀でね、普通科から特進科に
変わったんだよ。
 特に彼女の方は優秀だよ」
 と嬉しそうに先生は僕に教えてくれた。

 「そう……ですか。どうも」
 そう呟くと僕は一人とぼとぼと
二組の教室に向かった。

 なんてことだ……僕の知らぬ間に
水面下で四回戦が始まっていたとは。

 僕は敗北を認めざるを得なかった。

 四回戦……成績不振で敗北。

 こればかりは……仕方ない。

 だって僕は何時だって可もなく不可もない
成績は中の中。
 いわゆる普通の、平均的な……
どこにでもいる平凡な子なのだから。