康子が45歳児のお出かけに難色を示して
「うーん」と言ってると
刺繍の工場と事務所の間にドアを
勢いよくバターン!と開く音がした。
「あ!あー!のんちゃーん!のんちゃーん!」
騒がしくそう言うとパタパタと走って
のぞみの背中に飛び込んで
力いっぱい抱きついてきた。
綿菓子のような甘い匂いが背後から漂う。
「真奈!仕事場では静かにしなさいって
言ってるでしょ!」
康子の眉間に皺がより眉尻がぐぐっと上がる。
真奈は聞く耳を持たずに
「のんちゃん。大丈夫?」
後ろから康子と同じように心配そうに覗き込んだ。
私を「のんちゃん」と呼ぶのは
康子の一人娘の真奈。
芯の強そうな眉にキリっとした大きい目に
猫っ毛の柔らかそうな茶色の髪が
ゆらゆらと背中まで伸びている。
康子の顔も性格もをそっくりそのまま
紙にぺたんと生き写したような14歳の女の子。
同じ考えの2人が家の中にいるもんだから
四六時中喧嘩をしているような親子だ。
「夏休みは地獄よ」と康子は言っていた。
思春期真っ只中の真奈は
最近は康子の話に聞き耳を持たないようだが
昔からのぞみのことは慕っていた。
「だってあんなママを長年見捨てない
のんちゃんだから。
パパだって見捨てたのに。」だそうだ。
「うーん」と言ってると
刺繍の工場と事務所の間にドアを
勢いよくバターン!と開く音がした。
「あ!あー!のんちゃーん!のんちゃーん!」
騒がしくそう言うとパタパタと走って
のぞみの背中に飛び込んで
力いっぱい抱きついてきた。
綿菓子のような甘い匂いが背後から漂う。
「真奈!仕事場では静かにしなさいって
言ってるでしょ!」
康子の眉間に皺がより眉尻がぐぐっと上がる。
真奈は聞く耳を持たずに
「のんちゃん。大丈夫?」
後ろから康子と同じように心配そうに覗き込んだ。
私を「のんちゃん」と呼ぶのは
康子の一人娘の真奈。
芯の強そうな眉にキリっとした大きい目に
猫っ毛の柔らかそうな茶色の髪が
ゆらゆらと背中まで伸びている。
康子の顔も性格もをそっくりそのまま
紙にぺたんと生き写したような14歳の女の子。
同じ考えの2人が家の中にいるもんだから
四六時中喧嘩をしているような親子だ。
「夏休みは地獄よ」と康子は言っていた。
思春期真っ只中の真奈は
最近は康子の話に聞き耳を持たないようだが
昔からのぞみのことは慕っていた。
「だってあんなママを長年見捨てない
のんちゃんだから。
パパだって見捨てたのに。」だそうだ。


