それに少なからず生命の儚さを醸し出している私が
突然、昔住んでいた所に
行ってこようなんて言い出したもんだから
思い詰めているんでは?と、
康子は心配してくれているんだろう。
「父の本を片付けていたら
中学の友達の手紙が見つかってね。
それで、会いたくなっちゃって。」
私は康子に心配をかけないように
明るく振る舞った。
それが余計に演技のよう見えて
康子は丁寧にかなから話を聞き出すことにした。
「あのおじ様の本棚から手紙が出たの?」
父は読書好きでリビングの壁ニ面を
上から下まで全て本棚にしていた。
家に訪問した人々を圧倒させるほどだ。
「几帳面なおじさまが間違って
本と本の間に手紙を挟むかしら」
康子は何だかしっくりきていないようだ。
父はとても几帳面で本棚にも
本を作者別で並べていて
確かにおかしいなと思った。
私が「そうだよね」なんて言ったら
康子は追い討ちをかけるように話した。
「だいたい、中学の友達が
今も同じ所に住んでいるかはわからないわよ」
「あ、でも去年の消印でね。
封筒には住所が載ってたからさ。
それは大丈夫。」
努めて軽やかに答えてみる。
何が何でもお出かけしたい子供と
それを阻止する親の攻防戦のような会話だ。
突然、昔住んでいた所に
行ってこようなんて言い出したもんだから
思い詰めているんでは?と、
康子は心配してくれているんだろう。
「父の本を片付けていたら
中学の友達の手紙が見つかってね。
それで、会いたくなっちゃって。」
私は康子に心配をかけないように
明るく振る舞った。
それが余計に演技のよう見えて
康子は丁寧にかなから話を聞き出すことにした。
「あのおじ様の本棚から手紙が出たの?」
父は読書好きでリビングの壁ニ面を
上から下まで全て本棚にしていた。
家に訪問した人々を圧倒させるほどだ。
「几帳面なおじさまが間違って
本と本の間に手紙を挟むかしら」
康子は何だかしっくりきていないようだ。
父はとても几帳面で本棚にも
本を作者別で並べていて
確かにおかしいなと思った。
私が「そうだよね」なんて言ったら
康子は追い討ちをかけるように話した。
「だいたい、中学の友達が
今も同じ所に住んでいるかはわからないわよ」
「あ、でも去年の消印でね。
封筒には住所が載ってたからさ。
それは大丈夫。」
努めて軽やかに答えてみる。
何が何でもお出かけしたい子供と
それを阻止する親の攻防戦のような会話だ。


