名もなき星が瞬く

二人そろってラムネの栓を抜き、派手な音を鳴らして乾杯をする。
それからひと口だけラムネを飲み込むと、爽やかな甘い香りが鼻を通り抜けていった。

「いやー、思った以上の盛り上がりだったな」

「うん。泣いてる子もけっこういたよね」

「そうそう。あんなふうに人の心が動く瞬間を見ると、やっぱクリエイターって最高だって思えるよな」

空を仰ぎながら瞬矢が笑う。
その横顔を見つめながら、私も彼と同じように笑った。

「瞬矢」

「ん?」

「私ね、また小説を書いてみようと思うんだ」

そう言うと、瞬矢はすでに知っていたかのように頷いた。

「瞬矢に負けないように、私も自分の夢を追いかけてみる」

「うん。すげーいいと思う」

瞬矢の微笑みとともに、ちょうどよく文化祭の終わりを報せるチャイムが鳴る。

ああ、もうこんな時間か。
なんだかとても名残惜しくて、私たちはどちらからともなく手を繋いだ。

「私を見つけてくれてありがとう」

ずっと伝えたかった言葉が、自然と口をついて出る。
すると瞬矢の右手はまるで太陽のような熱を宿しながら、私の左手を優しく握ってくれた。