私たちはまだ中学生だ。
未来を誓ったって、そんなものは子供だましだと笑われるかもしれない。
けれど交わしたばかりの幼い約束が、いつまでも続けばいいと本気で願っている。
「俺、未央が架けてくれた虹を、一生忘れないと思う」
優しい声が耳元で響く。
その声に応えるように、私も瞬矢を強く抱きしめた。
瞬矢と映画を作ったことをお母さんに伝えられたのは、結局文化祭当日が1週間前に迫ってからのことだった。
急な私の報告に、初めはお母さんも戸惑っていたけれど、せっかくだからお姉ちゃんと一緒に観にきてくれるらしい。
そしてついに10月の初め。
私にとって、中学最後の文化祭が始まった。
「じゃあ、友理と未央は11時まで案内係ね」
映画の上映は午後2時からの予定だ。
それまではクラス展示の仕事があり、私は浮き足立つ気持ちを抑えながら、なんとかお客さんの案内係を務めていた。
しかし目の前の仕事を真面目にやらなければと思うものの、何度も時計を確認しては上映開始を待ち遠しく思ってしまう。
あの映画がみんなの目に映る瞬間を、早く見たくてたまらない。
「ねぇ、未央ー」
「瞬矢と映画をつくったって本当?」
仕事の合間に友理ちゃんと休憩をとっていると、ふいに隣のクラスの子たちに声をかけられた。
あんまり話したことのない子たちだけれど、きっと文化祭のパンフレットを見て映画のことを知ってくれたのだろう。
「うん。私が脚本を書かせてもらったの。よかったら観にきてね」
「そうなんだ。絶対に観に行く!」
「楽しみだね!」
瞬矢の手によって、映画の出来は申し分ないものになっている。
叶うなら、一人でも多くの人に観てもらいたい。
「大盛況になりそうじゃん」
ふと、隣で見守ってくれていた友理ちゃんが、にやにやとしながらそう言った。
「未央さ、瞬矢と映画をつくり始めてから変わったよね」
「そうかな?」
気恥ずかしくてとぼけてみたけれど、自分が変わったことに一番気づいているのは、私自身だった。
本音ノートを書き殴っていた日々が嘘のように、映画づくりが終わった後も、晴れやかな気持ちでいるのが分かる。
「友理ちゃんも、よかったら観に来てね」
「もちろん」
文化祭は賑やかな空気を保ったまま、午後の時間を迎えていた。
私たちの映画は、ステージ演目のひとつとして体育館で上映されることになっている。
バンド演奏や漫才、ダンスなどの演目が終わった最後に、大型プロジェクターに映し出してお客さんに観てもらうのだ。
午後2時5分前。
ステージ裏で裏方の仕事をしている瞬矢の横で、私はガチガチに震えていた。
「どうしよう。なんかものすごく緊張してきたかも」
「そうか? 俺は楽しみでたまんないけど」
瞬矢は朝からずっとパソコンに向き合い、映像の最終調整をしてくれていた。
今も慣れた手つきでプロジェクターの配線に問題がないか確認をしている、
未来を誓ったって、そんなものは子供だましだと笑われるかもしれない。
けれど交わしたばかりの幼い約束が、いつまでも続けばいいと本気で願っている。
「俺、未央が架けてくれた虹を、一生忘れないと思う」
優しい声が耳元で響く。
その声に応えるように、私も瞬矢を強く抱きしめた。
瞬矢と映画を作ったことをお母さんに伝えられたのは、結局文化祭当日が1週間前に迫ってからのことだった。
急な私の報告に、初めはお母さんも戸惑っていたけれど、せっかくだからお姉ちゃんと一緒に観にきてくれるらしい。
そしてついに10月の初め。
私にとって、中学最後の文化祭が始まった。
「じゃあ、友理と未央は11時まで案内係ね」
映画の上映は午後2時からの予定だ。
それまではクラス展示の仕事があり、私は浮き足立つ気持ちを抑えながら、なんとかお客さんの案内係を務めていた。
しかし目の前の仕事を真面目にやらなければと思うものの、何度も時計を確認しては上映開始を待ち遠しく思ってしまう。
あの映画がみんなの目に映る瞬間を、早く見たくてたまらない。
「ねぇ、未央ー」
「瞬矢と映画をつくったって本当?」
仕事の合間に友理ちゃんと休憩をとっていると、ふいに隣のクラスの子たちに声をかけられた。
あんまり話したことのない子たちだけれど、きっと文化祭のパンフレットを見て映画のことを知ってくれたのだろう。
「うん。私が脚本を書かせてもらったの。よかったら観にきてね」
「そうなんだ。絶対に観に行く!」
「楽しみだね!」
瞬矢の手によって、映画の出来は申し分ないものになっている。
叶うなら、一人でも多くの人に観てもらいたい。
「大盛況になりそうじゃん」
ふと、隣で見守ってくれていた友理ちゃんが、にやにやとしながらそう言った。
「未央さ、瞬矢と映画をつくり始めてから変わったよね」
「そうかな?」
気恥ずかしくてとぼけてみたけれど、自分が変わったことに一番気づいているのは、私自身だった。
本音ノートを書き殴っていた日々が嘘のように、映画づくりが終わった後も、晴れやかな気持ちでいるのが分かる。
「友理ちゃんも、よかったら観に来てね」
「もちろん」
文化祭は賑やかな空気を保ったまま、午後の時間を迎えていた。
私たちの映画は、ステージ演目のひとつとして体育館で上映されることになっている。
バンド演奏や漫才、ダンスなどの演目が終わった最後に、大型プロジェクターに映し出してお客さんに観てもらうのだ。
午後2時5分前。
ステージ裏で裏方の仕事をしている瞬矢の横で、私はガチガチに震えていた。
「どうしよう。なんかものすごく緊張してきたかも」
「そうか? 俺は楽しみでたまんないけど」
瞬矢は朝からずっとパソコンに向き合い、映像の最終調整をしてくれていた。
今も慣れた手つきでプロジェクターの配線に問題がないか確認をしている、


