名もなき星が瞬く

瞬矢は普段からけっこう強引な性格なのに、変なところが律儀だ。
そう思って苦笑していると、やがて彼は覚悟を決めたかのように、私の目を真っ直ぐ見つめた。

「ううん。やっぱり未央には知っていてほしい」

その眼差しに、心臓がドキリと鳴る。

なんだか無性に胸騒ぎがするような気がした。
それでも瞬矢が私に伝えたいことがあると言うのなら、私も彼に向き合わなければいけない。

「分かった。何……?」

「未央さ、ちょっと前に俺に暗所恐怖症かって聞いただろ?」

突然そう尋ねられ、私はおそるおそる頷いた。

あれは旧校舎の理科室を暗幕で真っ暗にしたときだ。
急に動けなくなった瞬矢を見て、その原因が暗所恐怖症なのではないかと聞いたのだ。

「あのときは咄嗟にごまかしたけど、本当は怖かったんじゃなくて、暗いところで何も見えなくなっただけなんだ」

「見えなくなったって、どういうこと?」

「そのままの意味。俺、目の病気なんだよ」

「目の……?」

「そう。近い将来、この目はほとんど使い物にならなくなる。だから――」

瞬矢の瞳がわずかに揺れる。

「――俺はきっと、映画監督にはなれない」