どれくらい泣いたんだろう? 「そろそろ泣き止まねえか?」
そう声を掛けても香澄はまだまだぐずっている。 どうしようもないお嬢様だな。
そこで脇を擽ってみる。 「ニャーオ。」
首筋を撫でてみる。 「ウーーーーー、ワン。」
「アホか。」 「アホだもん。」
じゃあ、そのまま洋一とでもくっ付いたらどうだ?」 「やだやだ、あんなきもいやつ。」
「ほう、お前にも嫌いなやつが居たのか?」 「居るわよ。 人間なんだから。」
「じゃあ悦男はどうだ?」 「うーーーん、微妙。」
「しょうもねえお嬢様だなあ。 これじゃあ一生付き合わされるな。」 「そうよ。 宏明君は彼氏なんだからね。」
「たっぷり慰謝料貰うわ。」 「体で払うから大丈夫。」
「お前を食べろってか?」 「そうよ。 高橋先生も食べたんでしょう?」
「ギク、、、。 感付いてやがる。) 「まあそのうちに分かるわよ。 私と離れたらどうなるか。」
「へえ、呪われるのか?」 「そうかもねえ。」
「お前のその顔で呪われるのか? そりゃあ夜も寝れなくなるわ。」 「何よ?」
「こないだだって三日くらい寝れなくなって大変だったんだからな。」 「そんなに私のこと考えてくれてたの? 嬉しいなあ。」
「ちっとも分かってねえわ。 こいつ。) 「あーあ、電車行っちまったぞ。 のろま。」
「もう。 すぐそうやって私のせいにするんだから。 だから嫌いなのよ。」 『嫌われたほうが平和になるなあ。」
「意地悪。」 以来、香澄は黙り込んでしまった。
次の電車に飛び乗って椅子に座ると俺は何だか眠くなってきた。 (やべえな、ここで寝たらまたやられるぞ。)
隣でボーっとしている香澄は時々心配そうな眼で俺を見ている。 そしてこれまた時々脇を小突いてくる。
「いてえなあ。」 「寝てる場合じゃないわよ。 彼女が隣に居るんだから。」
「あっそうですか。」 「冷たいなあ。 もっと反応してよ。」
「どうやってするのさ?」 「私は彼女なのよ。 それも分かんないの?」
「また始まったわ。」 「私がくっ付いてたら寝れないでしょう?」
「たぶん寝ると思うけど。」 「あのねえ、私は抱き枕じゃないのよ。 分かってる?」
「でっかいでっかい柴犬の抱き枕ですわ。 お嬢様。」 「だからやめてって言ってるでしょう?」
「お前、いつからお嬢様になったんだよ?」 「うーーーーん、分かんない。」
「グ、こいつ終わってるわ。」 「いいもん。 このまんま弘明君の家まで行くんだもん。」
「マジすか?」 「マジよ。 大真面目に言ってるの。」 「こいつ、本当に病気だわ。」
「そうねえ。 病気かもねえ。」 「メンタルクリニック 行った方がいいぞ。」
「大丈夫。 弘明病だから。」 「何だそれ?」
結局、香澄はこうして俺の家まで来たのであります。 「あらまあ、仲いいのねえ。 香澄ちゃん。」
「またお父さんが噴火するわよ。」 「いいんじゃないの? 本人が来たいって言って来たんだもん。」
「とは言うけどさあ、、、。」 姉ちゃんはどっか心配らしい。
香澄はというとさっきから母ちゃんの手伝いをしながら話し込んでおります。 賑やかなもんだなあ。
そこへ父さんが帰ってきた。 「ただいま。 腹減ったよ。」
母さんはというと父さんを刺激しないように食事を作っております。 姉ちゃんは旅行のパンフレットをテーブルに並べました。
「オー、夢の翼のパンフレットか。 秋の慰安旅行先を探してたんだ。 ちょうどいいわ。」 父さんは珍しくパンフレットを手に取って読み耽っている。
香澄は縮こまって料理の手伝いをしている。 父さんはまだ気付いてないらしい。
俺もさっきからハラハラしっぱなしなんだ。 今度父さんが噴火したら香澄を呼べなくなるからな。
と思っていたら母ちゃんと香澄が料理を持って父さんの前に現れたもんだから父さんはポカンとした顔であります。
「香澄ちゃん 今日も来てたのか? そうか。」 それだけ言うと肉の焼いたのを食べ始めました。
どうも空気がピリピリしてる。 面倒なことにならなきゃいいけど、、、。
「香澄ちゃん 宏明とは仲良くしてるか?」 「はい。」
「そうか。 それならいいんだ。」 父さんは時々母ちゃんの顔を見ながら夕食を食べております。
何とも言えない空気が流れる中、、、、。 「ハックショーーーーーーン‼」
香澄がどでかいくしゃみをぶちかましたもんだから父さんも思わず笑いだしてしまった。
「すごいくしゃみをするもんだなあ。 香澄ちゃんは。」 「肉を焼くときに胡椒を使ったもんだから、、、。」
「そうかそうか。 母さん 香澄ちゃんをもっと大事にしてやれよ。」 「う、うん。」
「何だ、何か有るのか?」 「何にも無いわよ。」
「ならいいんだ。 宏明も香澄ちゃんを大事にするんだぞ。 結婚するとかしないとかじゃなく、、、。」 「分かってるよ。 もう10年以上の付き合いなんだから。」
そんな話をしながら9時近くになってようやく食事を済ませた俺たちは誰からともなく風呂へ、、、。 「香澄ちゃんも入って行きなさい。」
取り敢えずの挨拶をして帰ろうとしていた香澄を父さんが呼び止めた。 「いいんですか?」
「入ってけ。 せっかくなんだから。」 「はあ、、、。」
それで香澄は脱衣所のドアを開けてみた。 「おやおや? お嬢様もお入りですか?」
「何よそよそしいこと言ってるのよ?」 「本気で入るのかなあ?と思って。」
「入ってけって言われたんだもん。」 「あっそう。」
「冷たいなあ。 喜んでよ。」 「お前の裸にか?」
「そ、そうよ。 って何てこと言わせるのよ? 馬鹿。」 「おー、始まった。 馬鹿馬鹿攻撃。」
「いいから入るわよ。」 香澄は湯に浸かっている俺の前で服を脱ぎ始めた。
「見ないでね。 まだ私は少女なんだから。」 「少女ねえ。」
「何よ? 変態。」 「お前もな。」
「私はそんなんじゃないもん。 乙女だもん。」 「お前が乙女だったらみんな少女になっちまうわ。」
「いいんだもん。 私は何でもいいんだもん。 宏明君さえ居ればいいんだもん。」 「そうですか。 お嬢様は大変ですなあ。」
「だからその、、、。」 「お嬢様って言うのはやめてくれーーーーー。」
「分かってるじゃない。 何でやめないの?」 「お嬢様だから。」
「あのねえ、体洗わせるわよ。」 「滅多と無いチャンスですなあ。」
「エッチなことはさせないからね。」 「分かってるわよ。 お前になんか触るかってんだ。」
「ひどーーーい。 彼女なのに冷たーーーーい。」 「何? 触ってほしいのか?」
「いえ、あの、その、、、そんなんじゃなくて、、、。」 香澄はどっか宙をさ迷ってるみたい。
「さっさと入れよ。 風邪ひくだろうがよ。」 素っ裸で突っ立っている香澄に声を掛ける。
「あ、うん。」 こういう時だけは素直なんだよなあ、こいつ。
「ねえねえ高橋先生とエッチしたの?」 「何だよいきなり?」
「何か急に優しくなったからさあ、、、。」 (ギク、、、。)
「してないならいいんだけどなあ。」 「してねえよ。」
「ほんとかなあ? 聞いてみたら分かるんだからね。」 「あっそう。」
「冷たいなあ。 もっと反応してよ。」 「香澄は可愛いですーーーーーーってか?」
「そんなんじゃなくてさ、もっと有るでしょう?」 「香澄は意地悪で引っ込み思案で嘘吐きで可愛いんですよーーーーーーーってか?」
「誰が嘘吐きなのよ? 言ってごらんなさい。」 「香澄と香澄と香澄ですけど何か?」
「あのねえ、私はそこまで嘘吐きじゃないわよ。 宏明君のほうがよっぽどに怖いわよ。 彼女を平気で泣かすんだから。」
「勝手に泣いといてか?」 「ほらほら、また私のせいにしてるでしょう?」
「まだお前のせいだなんて言ってないけどなあ。」 「いずれ言うつもりだったんでしょう?」
「いずれもくそも無いけど。」 香澄は俺の顔をじっと見詰めてからくっ付いてきた。
そう声を掛けても香澄はまだまだぐずっている。 どうしようもないお嬢様だな。
そこで脇を擽ってみる。 「ニャーオ。」
首筋を撫でてみる。 「ウーーーーー、ワン。」
「アホか。」 「アホだもん。」
じゃあ、そのまま洋一とでもくっ付いたらどうだ?」 「やだやだ、あんなきもいやつ。」
「ほう、お前にも嫌いなやつが居たのか?」 「居るわよ。 人間なんだから。」
「じゃあ悦男はどうだ?」 「うーーーん、微妙。」
「しょうもねえお嬢様だなあ。 これじゃあ一生付き合わされるな。」 「そうよ。 宏明君は彼氏なんだからね。」
「たっぷり慰謝料貰うわ。」 「体で払うから大丈夫。」
「お前を食べろってか?」 「そうよ。 高橋先生も食べたんでしょう?」
「ギク、、、。 感付いてやがる。) 「まあそのうちに分かるわよ。 私と離れたらどうなるか。」
「へえ、呪われるのか?」 「そうかもねえ。」
「お前のその顔で呪われるのか? そりゃあ夜も寝れなくなるわ。」 「何よ?」
「こないだだって三日くらい寝れなくなって大変だったんだからな。」 「そんなに私のこと考えてくれてたの? 嬉しいなあ。」
「ちっとも分かってねえわ。 こいつ。) 「あーあ、電車行っちまったぞ。 のろま。」
「もう。 すぐそうやって私のせいにするんだから。 だから嫌いなのよ。」 『嫌われたほうが平和になるなあ。」
「意地悪。」 以来、香澄は黙り込んでしまった。
次の電車に飛び乗って椅子に座ると俺は何だか眠くなってきた。 (やべえな、ここで寝たらまたやられるぞ。)
隣でボーっとしている香澄は時々心配そうな眼で俺を見ている。 そしてこれまた時々脇を小突いてくる。
「いてえなあ。」 「寝てる場合じゃないわよ。 彼女が隣に居るんだから。」
「あっそうですか。」 「冷たいなあ。 もっと反応してよ。」
「どうやってするのさ?」 「私は彼女なのよ。 それも分かんないの?」
「また始まったわ。」 「私がくっ付いてたら寝れないでしょう?」
「たぶん寝ると思うけど。」 「あのねえ、私は抱き枕じゃないのよ。 分かってる?」
「でっかいでっかい柴犬の抱き枕ですわ。 お嬢様。」 「だからやめてって言ってるでしょう?」
「お前、いつからお嬢様になったんだよ?」 「うーーーーん、分かんない。」
「グ、こいつ終わってるわ。」 「いいもん。 このまんま弘明君の家まで行くんだもん。」
「マジすか?」 「マジよ。 大真面目に言ってるの。」 「こいつ、本当に病気だわ。」
「そうねえ。 病気かもねえ。」 「メンタルクリニック 行った方がいいぞ。」
「大丈夫。 弘明病だから。」 「何だそれ?」
結局、香澄はこうして俺の家まで来たのであります。 「あらまあ、仲いいのねえ。 香澄ちゃん。」
「またお父さんが噴火するわよ。」 「いいんじゃないの? 本人が来たいって言って来たんだもん。」
「とは言うけどさあ、、、。」 姉ちゃんはどっか心配らしい。
香澄はというとさっきから母ちゃんの手伝いをしながら話し込んでおります。 賑やかなもんだなあ。
そこへ父さんが帰ってきた。 「ただいま。 腹減ったよ。」
母さんはというと父さんを刺激しないように食事を作っております。 姉ちゃんは旅行のパンフレットをテーブルに並べました。
「オー、夢の翼のパンフレットか。 秋の慰安旅行先を探してたんだ。 ちょうどいいわ。」 父さんは珍しくパンフレットを手に取って読み耽っている。
香澄は縮こまって料理の手伝いをしている。 父さんはまだ気付いてないらしい。
俺もさっきからハラハラしっぱなしなんだ。 今度父さんが噴火したら香澄を呼べなくなるからな。
と思っていたら母ちゃんと香澄が料理を持って父さんの前に現れたもんだから父さんはポカンとした顔であります。
「香澄ちゃん 今日も来てたのか? そうか。」 それだけ言うと肉の焼いたのを食べ始めました。
どうも空気がピリピリしてる。 面倒なことにならなきゃいいけど、、、。
「香澄ちゃん 宏明とは仲良くしてるか?」 「はい。」
「そうか。 それならいいんだ。」 父さんは時々母ちゃんの顔を見ながら夕食を食べております。
何とも言えない空気が流れる中、、、、。 「ハックショーーーーーーン‼」
香澄がどでかいくしゃみをぶちかましたもんだから父さんも思わず笑いだしてしまった。
「すごいくしゃみをするもんだなあ。 香澄ちゃんは。」 「肉を焼くときに胡椒を使ったもんだから、、、。」
「そうかそうか。 母さん 香澄ちゃんをもっと大事にしてやれよ。」 「う、うん。」
「何だ、何か有るのか?」 「何にも無いわよ。」
「ならいいんだ。 宏明も香澄ちゃんを大事にするんだぞ。 結婚するとかしないとかじゃなく、、、。」 「分かってるよ。 もう10年以上の付き合いなんだから。」
そんな話をしながら9時近くになってようやく食事を済ませた俺たちは誰からともなく風呂へ、、、。 「香澄ちゃんも入って行きなさい。」
取り敢えずの挨拶をして帰ろうとしていた香澄を父さんが呼び止めた。 「いいんですか?」
「入ってけ。 せっかくなんだから。」 「はあ、、、。」
それで香澄は脱衣所のドアを開けてみた。 「おやおや? お嬢様もお入りですか?」
「何よそよそしいこと言ってるのよ?」 「本気で入るのかなあ?と思って。」
「入ってけって言われたんだもん。」 「あっそう。」
「冷たいなあ。 喜んでよ。」 「お前の裸にか?」
「そ、そうよ。 って何てこと言わせるのよ? 馬鹿。」 「おー、始まった。 馬鹿馬鹿攻撃。」
「いいから入るわよ。」 香澄は湯に浸かっている俺の前で服を脱ぎ始めた。
「見ないでね。 まだ私は少女なんだから。」 「少女ねえ。」
「何よ? 変態。」 「お前もな。」
「私はそんなんじゃないもん。 乙女だもん。」 「お前が乙女だったらみんな少女になっちまうわ。」
「いいんだもん。 私は何でもいいんだもん。 宏明君さえ居ればいいんだもん。」 「そうですか。 お嬢様は大変ですなあ。」
「だからその、、、。」 「お嬢様って言うのはやめてくれーーーーー。」
「分かってるじゃない。 何でやめないの?」 「お嬢様だから。」
「あのねえ、体洗わせるわよ。」 「滅多と無いチャンスですなあ。」
「エッチなことはさせないからね。」 「分かってるわよ。 お前になんか触るかってんだ。」
「ひどーーーい。 彼女なのに冷たーーーーい。」 「何? 触ってほしいのか?」
「いえ、あの、その、、、そんなんじゃなくて、、、。」 香澄はどっか宙をさ迷ってるみたい。
「さっさと入れよ。 風邪ひくだろうがよ。」 素っ裸で突っ立っている香澄に声を掛ける。
「あ、うん。」 こういう時だけは素直なんだよなあ、こいつ。
「ねえねえ高橋先生とエッチしたの?」 「何だよいきなり?」
「何か急に優しくなったからさあ、、、。」 (ギク、、、。)
「してないならいいんだけどなあ。」 「してねえよ。」
「ほんとかなあ? 聞いてみたら分かるんだからね。」 「あっそう。」
「冷たいなあ。 もっと反応してよ。」 「香澄は可愛いですーーーーーーってか?」
「そんなんじゃなくてさ、もっと有るでしょう?」 「香澄は意地悪で引っ込み思案で嘘吐きで可愛いんですよーーーーーーーってか?」
「誰が嘘吐きなのよ? 言ってごらんなさい。」 「香澄と香澄と香澄ですけど何か?」
「あのねえ、私はそこまで嘘吐きじゃないわよ。 宏明君のほうがよっぽどに怖いわよ。 彼女を平気で泣かすんだから。」
「勝手に泣いといてか?」 「ほらほら、また私のせいにしてるでしょう?」
「まだお前のせいだなんて言ってないけどなあ。」 「いずれ言うつもりだったんでしょう?」
「いずれもくそも無いけど。」 香澄は俺の顔をじっと見詰めてからくっ付いてきた。


