「初めてだったわ。 熱く抱かれたのは。」 息を弾ませながら服を着直す美和は夢を見るような目で俺に言った。
「美和、、、。」 「でもさ、みんなには内緒よ。 休みの日にマンションでエッチしたなんて、、、。」
「そりゃあ誰にも言えないよ。 ばれたら退学させられちまう。」 「そうよね。 私もハラハラしたけどでもさ、大好きな宏明君だからいいかって。」
俺だって初めてだった。 今まで香澄でさえ抱いたことは無かったのに。
「虐めてもいいよ。」 香澄の上に重なった時、あいつは俺にそう言ったけど何も出来なかった。 というか香澄には何もする気が起きなかった。
でも美和は違ったんだ。 (俺の物にしたい。) 本気でそう思った。
しばらくして美和はシャワーを浴びるように俺に言ってきた。 「そりゃそうだね。 このままじゃ家に帰れない。」
シャワーを浴びながら考え込んでいるとドアを開けて美和が入ってきた。 「美和、、、。」
「驚いた?」 「そりゃあ驚くよ。 お互いに裸なんだもん。」
「私も悪い女ね。 宏明君に萌えさせられるなんて。」 「どっちもどっちじゃないの? 俺だって美和に萌えちゃったんだから。」
でもなんか美和が余計に愛しく思えてくるんだ。 絶対に放したくないって。
「不思議だね。」 「何が?」
「さっきまでただの生徒と先生だったのに何か変わったような気がする。」 「でもまだここだけの話よ。」
「そうだよね。 まだまだ極秘だ。」 美和は服を着ると窓際に立った。
その隣に立ってみる。 美和が俺の腰に腕を回してきた。
「弘明君さあ、進学するの? それとも就職?」 「進学するほど頭は良くないから働こうと思ってる。」
「そっか。 働くのか。」 美和は頷いてから道路の向こう側の公園に目をやった。
そこには律子の姿が、、、。 でもあいつ、このマンションには気付いてない。
俺はサッとテーブルに戻ってコーヒーを飲み始めた。 「いい天気ねえ。」
美和も俺の後を追って椅子に座った。 そして互いに無口になった。
まさかさあ、日曜日の静かな部屋で絡み合うなんてお互いに予想もしなかったよね。 俺だって(やり過ぎじゃないか?)って思った。
でもこれが素直な気持ちだったんだなって思うと、、、。 これからの美和を見る目が変わってきそうだ。
美和はコーヒーを飲みながら何かを考えている。 まだまだ胸の中は火照っているらしい。
「弘明君。 ほんとに私でいいのね?」 「今さら何?」
「遊びじゃないことを確認しておきたいの。」 「もちろん俺は本気だよ。」
「ありがとう。 よろしくね。」 そう言うと美和は俺の手を強く握りしめた。
さてさて夕日が沈み始めた頃、俺はフェアレディーの車内で美和と絡んだことを振り返っている。 ハンドルを握っている美和の手が時々俺の手を握ってくる。
裏道に入っても今日はどっかスローペースで走り過ぎていく。 なんだか今という時間を確かめているみたい。
近所の空き地に着いても俺たちはまだ車内で互いを確かめ合っている。 見詰めてはニコッとしてまた手を握り返す。
「そろそろ降りようかな。」 俺がそう言うと美和は半分泣きそうな眼で見詰めてくる。
「また遊びに来てね。」 そう言う美和を抱き締めてキスをする。 フェアレディーが走り去るのを見送ってから家に入る。
そこへメールが飛んできた。
『ねえねえ弘明君。 今は何をしてるの?』
『外から帰ってきてのんびりしてるとこだけど何か?』
『特に無いけど何してるのかなあ?って思ってさあ。』
『嫌なやつだなあ。 やっぱり香澄はお嬢様だね。』
『だからさあお嬢様ってのはやめてって言ってるでしょう?』
「いいじゃんか。 お前しか居ないんだから。』
いつ見てもいつ会っても香澄はうるさい女だなあ。 苦笑しながらスマホを机の上に置く。
「ファーーーー、なんか疲れたなあ。」 思い切り背伸びをして床に寝転がる。
「ねえ、もっと攻めてもいいのよ。」 熱い息を吐きながら狂いそうに喘ぐ美和の顔を思い出す。 忘れられない夏になったみたいだな。
「弘明ーーーーーー。 夕食だよーーーーーー。」 「やべ、また吠えてら。」
ぼんやりしているところへ母ちゃんの大きな声が聞こえた。 ドタドタト階段を駆け下りる。
「どうしたんだよ? そんなに急いで。」 「腹が減ったからさ。」
「まあまあ、いつもはそこまで慌てて下りてこないのに。」 (ギク、、、。)
「遊んでもいいけど社会に迷惑を掛けるんじゃないよ。」 「分かってるよ。」
母ちゃんは出始めた秋刀魚を焼いて皿に載せた。 「美味そうだねえ。」
「そりゃそうさ。 魚屋で買ってきたんだから。」 「魚屋ね。」
「何だい? 香澄ちゃんは嫌いか?」 「嫌いじゃないけど取り立てて好きでもないな。」
「そうなのか。 あんたら小さい頃からずーーーーーーーーーーーっとくっ付いてるんだもんね。」 「そうだよ。 いい加減疲れちゃって。」
「まあまあ、そんな時も有るわな。 でもね、これが縁なんだよ。」 「縁ねえ。」
秋刀魚を食べながら考え事をする。 美和の熱い吐息を思い出す。
「何ニヤニヤしてんだい?」 「う、うん。 何でもないよ。」
「頼むから事件だけは起こさないでね。」 「分かってるよ。」
「オー、今夜は秋刀魚か。 美味そうだなあ。」 そこに父さんが帰ってきた。
「お帰り。 飲むでしょう?」 「当たり前田のスーパードライ。」
「面白くないからやめてよ。」 「いいと思ったんだけどなあ。」
「お父さんがそうだから弘明も冴えないのよ。 分かってる?」 「飯を食う時に頭の話なんかするなや。」
「そうだそうだ。」 「何よ。 宏明まで。」
今夜もまあ、こんな感じで平和な突っ込み合いをしてるわけです。 これが吉田家の夜なんですわ。
たまに香澄みたいなのが来ると混乱するんだけどなあ。 なあ、香澄。
あいつも持ち上げてやらないとすぐに噴火するし泣き出すし不貞腐れるし厄介だよなあ。
そのくせ、お嬢様だって自覚はまるで無い。 自覚の無いのがお嬢様なんだろうけど、、、。
この先はどうなるのかなあ? 美和とはエッチしちゃったし、香澄に感付かれなきゃいいけどな。
あいつってさあ、妙な所で鼻が敏感なんだよ。 そしたらものすごい顔で特攻してくるんだろうなあ。
「あたしはあなたの彼女なのよ。 その彼女を差し置いて先生とやるなんてどういう神経してるのよ? 答えなさい!」 あいつならやりそうだな。
あーーーーー、鳥になりたい。 どっか知らない所に飛んで行って美和と二人きりで暮らしたい。
でもそうするとさあ「何で私じゃないのよーーーーーーー?」ってどっかのお嬢様が吠えだすんだよなあ。 うざいなあ、あいつ。
月曜日、またまた今日も何にも無いし何にも起きないようですなあ。 静かな静かな食堂でコーヒーを飲んでいると、、、。
「お掃除タウンです。 お掃除の依頼は有りませんか?」 若い女が電話を掛けてきた。
「うち、母ちゃんがやってるんで要りません。」 冷たく電話を切ってから椅子に座る。
そういえばさあ、こんな話を聞いたことが有るぞ。 あるおじさんの話。
掃除やが電話してくるからって番号を変えたんだって。 そしたら一番にその掃除屋が電話を掛けてきたんだって。
半年後、またまた番号を変えたら一番でその掃除屋が電話を掛けてきた。 毎回同じ人だったって。
いつもいつも同じ女の子が電話を掛けてくるものだからそのおじさんは笑って言った。 「あなたが結婚してくれるならお願いしますよ。」って。
それでそれ以来、番号を変えなかったらその掃除屋さんからの電話は掛かってこなくなったそうな、、、。 最初からおじさんは笑ってたって言ってたなあ。
「「奥さんはいらっしゃいますか?」って聞いてくるから「独身なんで居ませんよ。」って答えたら苦笑してたんだよ。 どう思う?」
どう思う?って聞かれても困るよなあ。 その頃の俺は小学生だったんだから。
それにしてももうすぐ高校野球も終わり。 終わったら秋が来る。
秋になったら俺たちは就職のための話し合いを始めなきゃいけない。 どうなるんだろう?
進学組は推薦入試も視野に入れてるって言ってたな。 頑張ってノーベル賞でも取ってくれよ。
俺は波風を立てないように美和とうまくやっていくよ。 香澄に気付かれたら最後なんだけどなあ。
「美和、、、。」 「でもさ、みんなには内緒よ。 休みの日にマンションでエッチしたなんて、、、。」
「そりゃあ誰にも言えないよ。 ばれたら退学させられちまう。」 「そうよね。 私もハラハラしたけどでもさ、大好きな宏明君だからいいかって。」
俺だって初めてだった。 今まで香澄でさえ抱いたことは無かったのに。
「虐めてもいいよ。」 香澄の上に重なった時、あいつは俺にそう言ったけど何も出来なかった。 というか香澄には何もする気が起きなかった。
でも美和は違ったんだ。 (俺の物にしたい。) 本気でそう思った。
しばらくして美和はシャワーを浴びるように俺に言ってきた。 「そりゃそうだね。 このままじゃ家に帰れない。」
シャワーを浴びながら考え込んでいるとドアを開けて美和が入ってきた。 「美和、、、。」
「驚いた?」 「そりゃあ驚くよ。 お互いに裸なんだもん。」
「私も悪い女ね。 宏明君に萌えさせられるなんて。」 「どっちもどっちじゃないの? 俺だって美和に萌えちゃったんだから。」
でもなんか美和が余計に愛しく思えてくるんだ。 絶対に放したくないって。
「不思議だね。」 「何が?」
「さっきまでただの生徒と先生だったのに何か変わったような気がする。」 「でもまだここだけの話よ。」
「そうだよね。 まだまだ極秘だ。」 美和は服を着ると窓際に立った。
その隣に立ってみる。 美和が俺の腰に腕を回してきた。
「弘明君さあ、進学するの? それとも就職?」 「進学するほど頭は良くないから働こうと思ってる。」
「そっか。 働くのか。」 美和は頷いてから道路の向こう側の公園に目をやった。
そこには律子の姿が、、、。 でもあいつ、このマンションには気付いてない。
俺はサッとテーブルに戻ってコーヒーを飲み始めた。 「いい天気ねえ。」
美和も俺の後を追って椅子に座った。 そして互いに無口になった。
まさかさあ、日曜日の静かな部屋で絡み合うなんてお互いに予想もしなかったよね。 俺だって(やり過ぎじゃないか?)って思った。
でもこれが素直な気持ちだったんだなって思うと、、、。 これからの美和を見る目が変わってきそうだ。
美和はコーヒーを飲みながら何かを考えている。 まだまだ胸の中は火照っているらしい。
「弘明君。 ほんとに私でいいのね?」 「今さら何?」
「遊びじゃないことを確認しておきたいの。」 「もちろん俺は本気だよ。」
「ありがとう。 よろしくね。」 そう言うと美和は俺の手を強く握りしめた。
さてさて夕日が沈み始めた頃、俺はフェアレディーの車内で美和と絡んだことを振り返っている。 ハンドルを握っている美和の手が時々俺の手を握ってくる。
裏道に入っても今日はどっかスローペースで走り過ぎていく。 なんだか今という時間を確かめているみたい。
近所の空き地に着いても俺たちはまだ車内で互いを確かめ合っている。 見詰めてはニコッとしてまた手を握り返す。
「そろそろ降りようかな。」 俺がそう言うと美和は半分泣きそうな眼で見詰めてくる。
「また遊びに来てね。」 そう言う美和を抱き締めてキスをする。 フェアレディーが走り去るのを見送ってから家に入る。
そこへメールが飛んできた。
『ねえねえ弘明君。 今は何をしてるの?』
『外から帰ってきてのんびりしてるとこだけど何か?』
『特に無いけど何してるのかなあ?って思ってさあ。』
『嫌なやつだなあ。 やっぱり香澄はお嬢様だね。』
『だからさあお嬢様ってのはやめてって言ってるでしょう?』
「いいじゃんか。 お前しか居ないんだから。』
いつ見てもいつ会っても香澄はうるさい女だなあ。 苦笑しながらスマホを机の上に置く。
「ファーーーー、なんか疲れたなあ。」 思い切り背伸びをして床に寝転がる。
「ねえ、もっと攻めてもいいのよ。」 熱い息を吐きながら狂いそうに喘ぐ美和の顔を思い出す。 忘れられない夏になったみたいだな。
「弘明ーーーーーー。 夕食だよーーーーーー。」 「やべ、また吠えてら。」
ぼんやりしているところへ母ちゃんの大きな声が聞こえた。 ドタドタト階段を駆け下りる。
「どうしたんだよ? そんなに急いで。」 「腹が減ったからさ。」
「まあまあ、いつもはそこまで慌てて下りてこないのに。」 (ギク、、、。)
「遊んでもいいけど社会に迷惑を掛けるんじゃないよ。」 「分かってるよ。」
母ちゃんは出始めた秋刀魚を焼いて皿に載せた。 「美味そうだねえ。」
「そりゃそうさ。 魚屋で買ってきたんだから。」 「魚屋ね。」
「何だい? 香澄ちゃんは嫌いか?」 「嫌いじゃないけど取り立てて好きでもないな。」
「そうなのか。 あんたら小さい頃からずーーーーーーーーーーーっとくっ付いてるんだもんね。」 「そうだよ。 いい加減疲れちゃって。」
「まあまあ、そんな時も有るわな。 でもね、これが縁なんだよ。」 「縁ねえ。」
秋刀魚を食べながら考え事をする。 美和の熱い吐息を思い出す。
「何ニヤニヤしてんだい?」 「う、うん。 何でもないよ。」
「頼むから事件だけは起こさないでね。」 「分かってるよ。」
「オー、今夜は秋刀魚か。 美味そうだなあ。」 そこに父さんが帰ってきた。
「お帰り。 飲むでしょう?」 「当たり前田のスーパードライ。」
「面白くないからやめてよ。」 「いいと思ったんだけどなあ。」
「お父さんがそうだから弘明も冴えないのよ。 分かってる?」 「飯を食う時に頭の話なんかするなや。」
「そうだそうだ。」 「何よ。 宏明まで。」
今夜もまあ、こんな感じで平和な突っ込み合いをしてるわけです。 これが吉田家の夜なんですわ。
たまに香澄みたいなのが来ると混乱するんだけどなあ。 なあ、香澄。
あいつも持ち上げてやらないとすぐに噴火するし泣き出すし不貞腐れるし厄介だよなあ。
そのくせ、お嬢様だって自覚はまるで無い。 自覚の無いのがお嬢様なんだろうけど、、、。
この先はどうなるのかなあ? 美和とはエッチしちゃったし、香澄に感付かれなきゃいいけどな。
あいつってさあ、妙な所で鼻が敏感なんだよ。 そしたらものすごい顔で特攻してくるんだろうなあ。
「あたしはあなたの彼女なのよ。 その彼女を差し置いて先生とやるなんてどういう神経してるのよ? 答えなさい!」 あいつならやりそうだな。
あーーーーー、鳥になりたい。 どっか知らない所に飛んで行って美和と二人きりで暮らしたい。
でもそうするとさあ「何で私じゃないのよーーーーーーー?」ってどっかのお嬢様が吠えだすんだよなあ。 うざいなあ、あいつ。
月曜日、またまた今日も何にも無いし何にも起きないようですなあ。 静かな静かな食堂でコーヒーを飲んでいると、、、。
「お掃除タウンです。 お掃除の依頼は有りませんか?」 若い女が電話を掛けてきた。
「うち、母ちゃんがやってるんで要りません。」 冷たく電話を切ってから椅子に座る。
そういえばさあ、こんな話を聞いたことが有るぞ。 あるおじさんの話。
掃除やが電話してくるからって番号を変えたんだって。 そしたら一番にその掃除屋が電話を掛けてきたんだって。
半年後、またまた番号を変えたら一番でその掃除屋が電話を掛けてきた。 毎回同じ人だったって。
いつもいつも同じ女の子が電話を掛けてくるものだからそのおじさんは笑って言った。 「あなたが結婚してくれるならお願いしますよ。」って。
それでそれ以来、番号を変えなかったらその掃除屋さんからの電話は掛かってこなくなったそうな、、、。 最初からおじさんは笑ってたって言ってたなあ。
「「奥さんはいらっしゃいますか?」って聞いてくるから「独身なんで居ませんよ。」って答えたら苦笑してたんだよ。 どう思う?」
どう思う?って聞かれても困るよなあ。 その頃の俺は小学生だったんだから。
それにしてももうすぐ高校野球も終わり。 終わったら秋が来る。
秋になったら俺たちは就職のための話し合いを始めなきゃいけない。 どうなるんだろう?
進学組は推薦入試も視野に入れてるって言ってたな。 頑張ってノーベル賞でも取ってくれよ。
俺は波風を立てないように美和とうまくやっていくよ。 香澄に気付かれたら最後なんだけどなあ。


